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逆境だらけの人類史 英雄たちのあっぱれな決断

著者:ビル・プライス
発行元:日経ナショナルジオグラフィック

 

目次

序章
初期人類、最初の石器を作る
初期現生人類、アフリカを出る
狩猟採集民、定住と農耕畜産を始める
シュメール人、筆記を始める
エジプトとヒッタイト、平和条約を結ぶ
アテネ市民、民主主義を選ぶ
シッダールタ、悟りを求めて旅立つ
アショーカ王、戦争を放棄する
ユリウス・カエサルルビコン川を渡る
パウロ、ダマスコへの道で回心する
コンスタンティヌス帝、キリスト教徒になる
ジョン王、マグナ・カルタに署名する
メディチ家、銀行を開く
グーテンベルク、聖書を印刷する
フェルディナントとイザベラ、コロンブスを支援する
ザルム伯、ウィーンに踏みとどまる
コペルニクス、「天球回転論」を世に問う
デカルト、理性を見いだす
ニュートン、復学する
ピョートル大帝、ロシアを改革する
植民地人、独立に賛成する
パリ市民、バスティーユを襲撃する
アメリカ政府、ルイジアナを購入する
ウイーン会議が「ヨーロッパ協調」を確立する
カール・ドライス、駆け足機の発明に注力
モンロー、不介入主義を発明する
ダーウィン、ビーグル号の航海に同行する
リンカーン、南部の奴隷を開放する
ライト兄弟、飛行機の製作に挑む
D・W・グリフィス、ハリウッドで映画を撮る
ガンジー、市民的不服従を実践する
ロバート・ジョンソン、悪魔と取引する
ルーズベルトニューディールを表明する
イギリス内閣、決戦を決議する
ルーズベルトチャーチル大西洋憲章に調印する
アイゼンハワー、Dデイの進行を決める
ノーマン・ボーローグ、メキシコに移住する
マーシャル、ヨーロッパ再建計画を公表する
ローザ・パークス、席を立つのを拒む
ケネディキューバを「隔離」する
ジョージ・マーティンザ・ビートルズと契約する
ネルソン・マンデラ、大統領との取引を拒む
ゴルバチョフペレストロイカを打ち出す
アウン・サン・スー・チーミャンマーに変える
ティム・バーナーズ=リー、ワールド・ワイド・ウェブを考案する
アップル、スティーブ・ジョブズを再雇用する
ベルファスト合意が締結される

 

感想

この本を世にとった時、まさか、これが「ナショナルジオグラフィック」の世界にある本だとは思いませんでした。
タイトルは「逆境だらけの人類史 英雄たちのあっぱれな決断」。
てっきり、山川の教科書の仲間かと思っちゃいましたよ。

 

歴史のターニングポイントというのは「え?」という出来事が立て続けに発生して、起きることばかりなのですよ。

 

なかには「いや、そーじゃねーだろう?」っていうのも、この本には含まれていますがね。

そこはそれで、おいておいて。

 

人類ではじめて石器を使ったとか、人類がアフリカ大陸から出ていったという話は、あまりにも古すぎるんですが、アイゼンハワーがDデイ、つまりノルマンディー上陸を始めたとかも古すぎるのですけれどね

 

たとえば、「アップル、スティーブ・ジョブズを再雇用する」という話。

 

二人のスティーブ、スティーブ・ジョブズと、スティーブ・ウォズニアッキが立ち上げたアップル・コンピュータ。ギークのための会社をまともな会社にしようと、招聘したジョン・スカリーに自分の会社を追い出されたスティーブ・ジョブズが、また、アップルに舞い戻っていなければ、iPhoneも、iPadも、iTunesもなかったわけで。

 

そのジョブズが、ルーカスフィルムのコンピュータ関連部門を買収し、その会社をPIXARと名付け、CGアニメーションで財を成していなければ、ほぼ無給でアップルに戻ることもなかったわけで。

 

そう考えていくと「逆境じゃなくて、偶然の連続じゃなかろうか?」なんて気がしてきちゃうのですが、いやいやいや、逆境ですよ。自分が作った会社で、自分が招いた新社長に、自分が追い出されてしまったのですもの。スティーブ・ジョブズは。

 

そんな話が、ぎっしりと詰まっている1冊。

 

世界史好きにはたまりませんが、しかし、そこまでトリビアも埋め込まれていないので、「歴史は好きだけれど、そこまで世界史は好きじゃないかも」という人にこそ、おすすめの1冊ですよね。

 

 

 

逆境だらけの人類史 英雄たちのあっぱれな決断 (ビジュアル讀本)

逆境だらけの人類史 英雄たちのあっぱれな決断 (ビジュアル讀本)