著者:前田裕二
発行元:幻冬舎
目次
序章 「メモの魔力」を持てば世界に敵はいない
第1章 メモで日常をアイディアに変える
第2章 メモで思考を深める
第3章 メモで自分を知る
第4章 メモで夢をかなえる
第5章 メモは生き方である
終章 ペンをとれ。メモをしろ。そして人生を、世界を変えよう
感想
これまたSHOWROOMを主催している前田さんの本ですね。世の中的にはメモの活用術、思考の整理術本として扱われているようです。ですから、Amazonのレビューを見ていると「結局何が言いたいのかわからない」という意見が出てきたりします。が、この本のポイントはそこではないんですよ。メモの活用っ術って視点だと
・ノートを見開きで使う
・見開きのノートを3分割する
・3分割されたノートを「ファクト」「抽象化」「転用」としてそれぞれのエリアを使う
ってことしか書かれていないですからね。
これだけで「おれ、すごい情報を整理できるようになれる」とか「ワタシ、とっちらかっていたタスクを整理できるようになる」なんて思えて実践できたら、その人は天才ですね。間違いなく。
この本のウリは「物事を抽象化する、その方法を教えてくれる」ってことかと。
なので、メモの活用獣というよりも、コンサルティングのフレームワークを行うような本として扱われるべきなんですよね。
様々なコンサルファームのスターが「抽象化論」や「思考整理術」の本を描いているわけですが、そんな本よりも圧倒的にわかりやすくて、実践しやすいと思いますよ。個人的には。世の中に出ている「抽象化論」や「思考整理術」の本をすべて読んだわけじゃないですがね。
世の中にある「抽象化論」や「思考整理術」の本を書いた人々というのは、当然といえば、当然ですが、必要に迫られて誰かから教えてもらった方法を理解して、身につけているわけですよ。でも、前田さんは「生き残る上でどうすればいいのか?」という視点で、抽象化術・思考整理術を身に着けた。喧嘩十段のような抽象化術・思考整理術を外資系銀行で体系化させた。
だから、わかりやすくて、真似しやすいのでしょうね。
では、前田さんは抽象化をするためには何が必要なのか?を言っているのかというと、至極シンプルなことだったりするのです。
①インプットした「ファクト」をもとに、②気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し、③自らのアクションに「転用」する。
とか
抽象度のレイヤーを上げるためには。相応の思考をしないといけません。「その具体をまとめると、結局何が言えるんだっけ?」と考えることには時間がかかるのです。そしてそれが、人間の思考能力における一番優れたところでもあります。人間以外の生物には抽象化思考ができません。だからきっと、言語を扱えないのでしょう。
とか。
あまりにもシンプルじゃねーか!って話なんですけれど、やっぱりシンプルなんじゃないかと。「結局、何が言えるんだっけ?」にシンプルに落とし込めることが、何よりも重要なんだと。「結局、何が言えるんだっけ?」とは、コンサル術でよく言われる「結論から話す」ですね。
そして、抽象化の定義もわかりやすいのよね。Wikipediaとかで調べると、余計に頭がこんがらがってしまいそうになりますからね。
前田さんはずばりなんと言っているかというと。
抽象化とは、「本質を考える」こと
と。
やはり「で、結局何が言いたいの?」「それって、どういう意味なの?」ってことに尽きると。
そして、「おれ、物事を抽象化した!」っと言うところに話が落ちても
「思考を深める=抽象化」すると、再現性、汎用性が生まれるのです。
ということなので、検算や、リバースして、再現性や、汎用性があるかどうかで、その抽象化が正しいかの確認ができますと。
ほとんどメモの魔術っていうよりも、抽象化の魔術として、ワタシ使ってますねw
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)
- 作者: 前田裕二
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/12/24
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