カンマニのWEB銭

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さん「カンマニ」が綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

デス・バイ・アマゾン

 

著者:城田真琴
発行元:日本経済新聞社

 

目次

第0章 アマゾン恐怖銘柄指数とは
第一章 消える店舗、消える店員 アマゾンがリアル店舗を再定義する
第二章 次なるターゲットはファッションEC
第三章 ショッピング・エクスペリア リアル店舗の生き残りの鍵
第四章 買い物の敷居を極限まで下げるアマゾン
第五章 ラストマイルを巡る戦い
第六章 モノを売らないサブスクリプションレンタル
第七章 アマゾン・サバイバーの戦略

 

感想


デス・バイ・アマゾン。つまりアマゾンに殺されたということ。アマゾンが描く未来はユートピアでなく、デストピアなのではないか?なんて語られることが多い。

 

いまだにアマゾンをオンラインの本屋さんだと思っている人も、いないだろうけど、日本だと「町中から書店が消えたのはアマゾンのせいだ」と語られることが多い気がする。いやいや、それはツタヤとかの大型郊外型書店のせいだろうという気もするのですがね。

 

で、そこまでの話だったら、単なる「アマゾン怖い本」になるだけなんだけど、そうではない。アマゾンという一大勢力が、バイキングのように、モンゴル帝国のように攻め込んできても、戦い抜いて生き抜いている企業、サバイバー企業があるわけです。本書ではアマゾンの凄さだけでなく、そんはアマゾンサバイバーの魅力にも迫り、「アマゾンに殺されない方法」を伝えてくれるのが素敵。

 

生き残っている理由は、卓越したブランド力やターゲットとする顧客層の違い、あるいはテクノロジーの活用などさまざまであり、一概には言えないものの、日本企業にとっても参考になる点はあるはずだ。本書では、拡大し続けるアマゾンの戦略とアマゾンに対抗する企業の戦略を読み解きながら、アマゾンに殺されずに生き残るための方策を考えていく。

 

て、本書の冒頭にも書いてあるしな。


オンラインだけでなく、オフラインにも攻めてきているアマゾンだけど、恐れることも、侮ることも、真似することもなく、敵を研究して、謙虚に未来を考えることが重要なわけですよ。

 

で、アマゾン。オンラインの世界に閉じているだけでなく、オフラインの世界にも攻め込んできている。それもショールーミングの場を求めるだけでなく、きっちりと商いの場として考えているわけですよ。

 

アマゾン自身が焼け野原にしたオフラインの店舗経営に、アマゾンは何を求めたのか?それは、ビッグデータの活用だという。

 

最大の特徴はアマゾンのECサイトで収集したビッグデータの活用である。棚に並ぶ本は、ECサイトでベストセラーを獲得、あるいは星(ユーザーレビュー)4つ以上という基準が設けられている。また、予約販売状況や売上データ、さらには、その店舗の近隣エリアに住むこきの本の購入状況などを分析し(これにはキンドルのデータも含む)、その結果に基づいて在庫の調整を行っている。顧客の住所データを保有しているアマゾンならではの施策と言えるだろう。

 

ECと違い、オフラインの店舗には商圏という制約条件がある。その制約条件は「ハッキリと言語化できない」ものだったので、店舗経営には無駄が発生していた。その無駄を最低限に抑えることができる店舗スタッフや、エリアマネージャーは神レベルに扱われていたわけですな。

 

そこにアマゾンは手を入れた。ビッグデータで店舗経営から無駄をなくすにはどうすればよいのか?そこにスポットライトを当てたわけですな。オフラインに店舗が複数あれば、ラストワンマイル問題も縮小させることができるしね。

 

アマゾンゴーだって、そんな背骨がしっかりと存在していると。

一方、店舗の運営サイドからみると、アマゾン・ゴーは極めてスケーラビリティ(拡張制)の高い仕組みである点に注目すべきである。
これまでのコンビニエンスストアやスーパーでは、店長や店員の経験に裏打ちされた商品のジュハノウハウや店のオペレーションなど、店舗の運営に占める人的スキルの割合が大きく、重要であった。しかし、アマゾン・ゴーでは、ソフトウェアが店舗運営のかなりの部分までカバーしており、相対的に人に依存する部分は少なくなる。この点は多店舗展開を行う上では非常に大きなアドバンテージとなる。

 

ただ単に「無人店舗すげー。万引き対策どーすんだよ」と思ってるだけじゃ、だめなんだな。そこしかみないで「我が社の無人店舗は万引き対策してます」とかやってては駄目なんだな。いや、万引き対策重要だけどね。店舗経営で、どこに一番無駄が発生してるのか?をちゃんと見抜いて、そこの改善に活かすだなんて、ベゾスはセブン-イレブンでバイトでもしたことあるのだろうか?


セブン-イレブンは店舗オペレーションの無駄を省くために単品管理を生み出したのだけど、アマゾンは更にその上をいくってことね。

 

オフラインにも進出したアマゾンだけど、オンラインでも、攻勢は緩めていない。それはプライムビデオのようなサービスでもあるけど、本業のECでも攻めの姿勢は、緩めていない。それは、例えばファッションECだと。在庫や、サイズ、流行りや、低利益率が大きなリスクとして存在するファッションの世界にアマゾンは本気出して攻め込んできました、と。

 

そして、すでにライバルがひしめき合っているといのに。

 

でもね、そこにもちゃんと戦略があると著者は言う。だめになったらすぐに撤退するアマゾンだけれども、進出するときは、ちゃんと考えているようでと。

 

見えてきたアマゾンのファンEC戦略
①第三者のファッションアイテムの販売
プライベートブランドの商品開発
③「プライム・ワードローブ」によって複数アイテムの購入を促進
④「エコー・ルック」によるデータ収集

 

よそのブランド品も扱うけれど、それはあくまでもデータ収集する手段であって、プライベートブランドで儲けると。ZOZOTOWNと同じですね。ただ、と違うのはアパレル以外も扱っており、そっちの売上のほうが大きいということ。そして、ベゾスは自分の力(というか、会社)で宇宙に行こうとしてることだ。

 

最強のバイキングのように、最強のモンゴル帝国のように攻め込んでくるアマゾン帝国。とはいえ、このまま座して死を待つわけには行かない。そんな最強軍団との戦い方も書いてあった。

 

ほとんどの商品がアマゾンを筆頭とするECで買える時代になった今、既存の小売業者は、顧客がすすんでリアル店舗に足を運ぶ同義を作り出さなければならない。店舗でしかできない経験、つまり「ショッピング・エクスペリエンス」が、EC事業者との差別化、さらにはオンライン/オフライン問わずに競合他社との差別化につながるというわけだ。

 

いやん。ふつーのことじゃないか。でもね、ふつーのことが重要なんですよ。「流行ってるから」とか「自社ECがないとだめだから」とか言って表面だけ真似るからダメなんですよ、と。

 

自社が提供できる価値は何なのか?ちゃんと考えて考え抜くのが重要なんてすよと。

で、最後にアマゾン・サバイバーの企業が紹介されていた。コレラの企業を、ちゃんと研究しようと。

 

アマゾン・サバイバーの構成企業
①CarMax
②The Children's Place
③Esty
④Home Depot
⑤Lithia Motors
⑥Lumber Liquidators
⑦PetMed Express
⑧RH
Tiffany
10 Wayfair

 

と、いろいろ書きましたが、この本を読んで一番驚いたこと、読んで良かったことは、「デス・バイ・アマゾン」と呼ばれる企業グループがあり、アマゾンの動向に影響を受けまくる企業として、アマゾンの動向と合わせて株価がウォッチされているということだ。

 

そんな視点で仕事をしながら、こんな本を書ける著者って、すげー仕事できるんだろーな、と。

 

 

デス・バイ・アマゾン テクノロジーが変える流通の未来

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