著者:米国戦略諜報局(OSS)
監訳・解説:越智啓太
翻訳:国重浩一
発行元:北大路書房
目次
解説 サボタージュ・マニュアル
1 サボタージュ・マニュアルとは何か
2 どのようにすれば、組織はうまくいかなくなるのか
サボタージュ・マニュアル(暫定版)
1章 序文
2章 推定される効果
3章 サボタージュの促進
4章 道具、標的、タイミング
5章 サボタージュに関する具体的提案
感想
数年前にネットで話題になったネタがある。CIAの前身組織であるOSSが作成したマニュアルだ、それが、これ。
ホワイトカラーによるサボタージュ戦略
1 形式的な手順を過度に重視せよ
2 ともかく文書で伝達し、そしてス文書を間違えよ
3 会議を開け
4 行動するな、徹底的に議論せよ
5 コミュニケーションを阻害せよ
6 組織内にコンフリクトを作り出せ
7 士気をくじけ
政府や、役所、そして、自分の所属する会社がぴったりあてはまるじゃないか!と。さすがアメリカ。日本人の組織力を草の根レベルで破壊するために、スゴイことを教え込んだものだ、と。
というのは、ワタシの妄想ですが、話題になったのは間違いなく、それもCIAの前身組織が戦争中に作ったものだからと、陰謀論まで出てきて、右に左に盛りあがった。
これって戦争にかんする情報と教育をすべて否定してしまっている故の結果だと思うのよ。「坂の上の雲」的な話と「桶狭間の戦い」的な話と「火垂るの墓」的な話がゴチャゴチャになり、戦争とは激しくドンパチが繰り広げられ、それに一般人が巻き込まれ、悲惨な状況が繰り広げられ、そんな血みどろの闘いをしながらも敵の総大将を倒せば勝利が戦争だと思ってる気がするのよね。
完成にワタシの思い込みだけど。
近代以降の戦争というのは総力戦であり、ありとあらゆる国の資産を利用する必要がでてきた。「産めよ増やせよ」とか「欲しがりません。勝つまでは。」という標語もそんな目的のために作られたわけで。で、これは別に日本だけの話ではなく、世界規模でどこの国でも行われた。ナチス・ドイツのゲッベルスなんて、まさにそんな仕事を行っていたわけで。
で、アメリカでも、当然ようにどうよな施策が行われていた、と。
この本を読んでいたら、読みたくなった本。
世界の大思想〈第23巻〉マックス・ウェーバー 政治・社会論集 (1965年)
- 作者: マックス・ウェーバー,阿部行蔵
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1965
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- 作者: ロバート・K.マートン,Robert King Merton,森東吾,森好夫,金沢実,中島竜太郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1961/09/11
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ウェーバーばかり。ウェーバーをまた、学びたくなった。こういう骨太な社会学を学びたくなった。
ワタシにとっては、この本、サボタージュ・マニュアルにはならなかったな。ブラックプロパガンダにもならなかった。やる気が、すごい出てきたw