発行元:ダイヤモンド社
目次
【インタビュー】収益性と成長性ある長期戦略を実現するために 世界一の企業を目指すならCSVは当然である
新たな企業観の行方 CSVは企業の競争優位につながるか
【インタビュー】創業者エジソンの精神への原点回帰 GEは事業で社会的課題を解決する
社会的責任委員会はどう対処したか ナイキのCSR活動:取締役会が果たす5つの役割
【インタビュー】社会的課題を解決する持続可能な仕組み ソーシャル・ビジネスというもう一つの選択肢
【ビジネス・スキル】技術よりも大切なのは、その人らしさ TED流 人を魅了するプレゼンテーション
【ガバナンス】3つの大義名分で覆い隠された真実欺瞞だらけの自社株買い
感想
やっぱ、いいね。ハーバードビジネスレビューは。2年以上の積読期間を経て、手にとったのは「CSV経営」特集号。CSVたって、コンビニではない。
CSVとはCreating Shared Valueで共通価値創造という意味。2006年にポーター先生が発表した論文に由来する考え方。企業経営をする際に短期的な利益だけでなく、そもそも「なぜ、そのビジネスをするのか?そのビジネスが夜のため人のためなの役に立つのか?」をちゃんと考えましょうてはなしだな。
言うは易し、行うは難しなコンセプトだけれど、これに対してユニクロの柳井さんが、ズバッと答えを出していたりするのですよ。「【インタビュー】収益性と成長性のる長期戦略を実現するために 世界一の企業を目指すならCSVは当然である」のなかで。ユニクロはグラミン銀行と組んで、バングラデシュでグラミンユニクロを展開してるのだと。低価格で高品質な衣類を作るのが得意なファーストリテイリングは、安価で清潔な衣類を途上国で販売することを社会的な使命だと考えているのだとな。
ここで重要なのは、衣類を寄付するのではなく、衣類の生産も行うことで、生産者を生み出し、そして消費者を生み出しているということなのよ。魚をあげるのではなく、魚のとり方を教えるってことだな。
そして、この柳井さんの話しがすごく良い。ユニクロは、ファーストリテイリングは、国内でなんとかしようとはおもってないんだろうな。
日本企業に限ったことではありませんが、海外に進出すると、常に問われることがあります。あなたはどこから来ましたか。この国に対して、そして世界に対して、あなたはどんな良いことをしてくれますか。これらの質問に答えられなければ、グローバル展開はできません。単純に金儲けだけが目的では、当たり前ですが、どこの国の人々も歓迎してくれないのです。
日本企業の場合、残念ながら、自社の事業のことばかりを考えているので視野が狭い。本来は、相手に受け入れられることがスタートとなります。世界と共存していくためには、世界で通用する価値を提供できなければいけない。それはまさに、CSVだと言えます。
貧すればじゃないけれど、儲かってなければ、世の為人の為にもならないんじゃないのか?なんて思ってしまうのが昭和の価値観なんだろうな。誰かを騙して金を稼ぐのではなく、最初から世の中のためを考えて、動かないとだめなんだろうな。そして、それが成功することによって企業は収益を上げることができる。グラミンユニクロの取り組みだって、成功すれば途上国に産業が根づくだけでなく、途上国と分類される国々が市場となるんだからな。そりゃ、本気になるよな。
で、他に面白かった記事はこれ。
「To Raise Productivity , Let More Employees Work from Home 生産性を上げたいなら在宅勤務をさせなさい」
スタンダード大学教授のニコラス・ブルームの記事が良い。やっぱり生産性を上げるなら在宅勤務なんだよ。そして、在宅勤務に激しく抵抗するのは中間管理職なんだよw
で、そんな今月号を読んでいてら、読みたくなった本。
そして、コンサルファームの中途採用の広告が多いこと多いこと。そりゃ、この本を読んでいるような人はコンサルファームに入るのには最適かもしれないけど。かもしれないけど、ワタシは、入る気しないなぁ。ここに掲載されているファームから内定をもらったけどね。数社。
ファームには入りたくないけど、この本は面白い。そして東京理科大学専門職大学院に入りたいな。MOT技術経営専攻。いくらするんだろう?学費は。