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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

オウンドメディアで成功するための戦略的コンテンツマーケティング

著者:ジョー・ピュリッジ、ロバート・ローズ
訳者:守谷桜
発行元:翔泳社

目次

第1部 コンテンツマーケティング戦略
第1章 ビジネスケースづくり
第2章 ファーストは誰?それはなぜ?
第3章 旅を創造する:コンテンツの柱づくり
第4章 チャネルを掘り下げる
第5章 まとめあげる
第2部 コンテンツマーケティングのプロセス
第6章 コンテンツマーケティングプロセスの4つの段階
第7章 ワークフローへようこそ
第8章 コンテンツマーケティングのツール
第9章 聖歌隊に歌わせる
第10章 きちんと話して,耳を傾ける
第11章 測定-ピラミッドをつくりあげる
第12章 コンテンツ&マーケティングを超えて
終章 まとめ 知っていることすべてが変わり-することはなにも変わらない

 

感想

この本にはわかりやすいフレームワークや、「これをしなさい」というHow toテクニックの記載は殆ど無い(いや、あるんだけれど、)。なので、アマゾンのレビューとかは手厳しかったりする。でも、こういうの、ワタシ、求めておりました。

 

そんな本書の中で湯いつ出てくる、フレームワークというか、図画はこんなの。

 

旅を想像する:コンテンツの柱づくり
時計回りに(スタート地点は10時の位置)従来の市場→喚起に対する拒絶→師/賢者→未知への領域へ(3時の位置。このラインより上が既知の領域、下が未知の領域)→試練と仲間→未知の世界の中心へ近づく→最後の試練→報酬→帰路→復活

 

え?ってレベルでの表記ですが、どんな内容なのか?は、実際日本を読んで確認したってください。

 

しかし、ですね、著者はこのグラフ(図表)に関して、こう述べております。

 

取りかかる前にこれが単なる骨組みで、「やること」リストやテンプレートではないことをわかってほしい。構造とは物語を伝える方法を生み出す基盤を提供するため、場合によっては既存の物語に欠けているものを見つけ出すために有る。これは物語の鋳型ではない。この区別は重要だ。というのは、あなたの物語は、あなた、ブランド、そしてあなたが作り上げようとしている経験ならではのものになるからだ。この骨組みに、自由に追加、カスタマイズ、削除、および/または変更していって欲しい。これを道具として物語の柱を作りあげ、あなたのコンテンツマーケティングを競争相手のものと差別化するのだ。

はい。そのままつかうなよ、と。
そのまま使っちゃダメで、自分の頭で考えなさいよね、と。
ということで、本書内でも、この説明がいろんな箇所で、ビミョーに異なっていたりします。誤植かもしれませんが。

 

とりあえず、著者が本書を通じて言いたいことは、「安易に走るな」ってことなんですよね。情報を受け取った相手のことをちゃんと考えろ。読み手が何を思い、同行動するのか?を考えろ、それがコンテンツマーケティングだと。コンテンツマーケティングの本質を著者は熱く語っているわけですよ。だから、具体的な話はなく「一般論じゃないか!」と、アマゾンのレビューが荒れるんですけれどね。

 

でも、こんなことを書かれていたら「おっしゃるとおりです」とうなずくだけなわけですよ。

 

このリーダーシップとロイヤリティ戦略の要にあるのが-コンテンツマーケティングだ。現在、成功を収めるにはコンテンツを用いて継続的に-初めての出会いから、顧客ライフサイクルを通じてずっとー読み手/聞き手を引き込む必要がある。つまりマーケティングの役割は、もはや顧客づくりではなく(ピーター・ドラッカーの言葉を借りると)熱心なブランド支持者づくりだ。

 

とか

 

コンテンツマーケターとして最も重要な目標は、顧客たちが調べてみた結果、ぼくたちの製品/サービスが必要だと気づくように、語る内容を連携させることだ。そのためには、これらを結びつけられる理想の瞬間、あるいは決定点を絶えず探し求めること。会話中に、相手の目つきを見ていれば、自分が適切なこと、適切なタイミングで口にした瞬間それとわかるように。

 

とかね。

そして、安易に走ってしまったコンテンツマーケティングが失敗してしまう理由も、しっかり書かれているのですよ。

 

正直なところ、コンテンツマーケティングおよびソーシャルメディアプランのほとんどは、「流通」から始まる。だから、ほとんどが失敗する。

 

あ。ですよね。まさに。SNS大流行で、Facebookから流れて、いまはInstagramTikTokかもしれませんが、それらは所詮チャンネルの話であって、そこに「何を載せて、何を伝えるのか?」って言う話はなかったりするんですよね。「え?動画じゃね?」とか「インスタばえする写真でしょ?」という人こそ、この本を音読してくださいw

 

で、そんなチャネル主義にならないようにするための検討事項を、本書ではこのように教えてくれるわけです。

 

コンテンツマーケティングのチャネルプラン作成にあたって、検討すべき基本事項は7つ。
①状況分析
②チャンネルの目標
③コンテンツ/対話プラン(いかに物語を伝えるか)
④測定基準
⑤呼びかけ相手のペルソナ
⑥コンテンツマネジメントプロセス
⑦編集カレンダー 

 

すげーシンプルなことですね。そして、コンテンツマーケティングを支える体制も教えてくれるのですが、これまたすげーシンプルなわけですよ。

 

コンテンツマーケティングを支え、成功を生む最適なプロセスを作り上げるにはどうしたらいいのだろうか。オフラインやオンライン上でコンテンツマーケティングのエンジンをマネジメントするには、人間駆動型(技術によって促進される)プロセスの枠組みが必要だ。このプロセスの枠組みには四つの段階がある。
①制作・管理
②最適化・統合・キュレーション
③対話・傾聴
④評価・学習

 

このシンプルな部分とチャネルの話しかしないから、みんな「コンテンツマーケティングは簡単そう」とか「コンテンツマーケティングはお金がかからなさそう」って勘違いするんだよね。


全く違うんだけれど。

コンテンツを生み出す大変さと、それを整理する大変さが、本書では述べられているのですが、それが伝わった人はどれくらいいるのでしょうかね?

コンテンツマーケティング、それは大河ドラマや、連続テレビ小説のような、長期間続くテレビドラマの企画や、脚本を考えるくらい大変なことなんだよね。飽きさせちゃいけないし、引き込まなきゃいけないし、楽しませなきゃいけないし。

 

だから、今度勉強するのは、ドラマの企画のたてかたや、ドラマの脚本の書き方だね。
あれ?私の原点に戻ってるw

 

そして、本書を読んでいて読みくなった本。

 

神話の法則―ライターズ・ジャーニー (夢を語る技術シリーズ 5)

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