著者:大野雄二
発行元:DU BOOKS
目次
第一章 ユーズ,キッチン スタッフ座談会で迫る、大野雄二の今
第二章 大野雄二が振り返る、ジャズ人生
第三章 大野君の音楽語り亭 ほかでは言わんといてぇ〜
特別付録 聴かなきゃソンソン、よまなきゃヤンヤン(パンタじゃねーぞ)
感想
ルパン三世のテーマの作曲家として有名な大野雄二さん。その大野雄二さんのバンドがルパン三世のテーマを演奏していたとは知っていましたが、私の知識はそこまででした。
Lupintic Sixのライブに偶然行き、その場で大野雄二さんと、そのメンバーの超絶テクニックにやられてしまいまい、物販隊長の和泉聡志さんに奨められたがまま、この本を買ってしまいましたわ。
【MUSIC VIDEO】THEME FROM LUPIN III 2016/Yuji Ohno & Lupintic Six with Fujikochans (Short ver.)
そして、この本を読んだら、完全にヤラれてしまいましたわ。ヤバイよな。大野雄二さんの、信者になってしまいましたよ。JAZZなんてほとんど聞いたことがない、ソレこそルパン三世のテーマと、銭形警部のテーマくらいしか聞いたことないけど。JAZZを聞き倒してやろうと、思うようになりましたわ。
なぜ、そこまでJAZZというか、大野雄二さんにゾッコンになってしまったのか?というと、そのプロ意識の高さにやられてしまったからですわ。
大野雄二さんの成り立ちや、バンドメンバーとの座談会、音楽に対する考え方も本書にはしるされているのですが、それ以上に大野雄二さんのプロ意識の高さに触れて、私はやられてしまいましたわ。
ルパン三世関連の作曲家としては名前が知られている大野雄二さんですが、ほとんどTVで見かけることはありません。なぜにTVでみかけないのか?そこには大野さんなりのポリシーがあったのです。
例えば僕はテレビには出ないって決めてるんだけど、出ることで有名になっても、"有名だから"ってことで仕事は受けたくない。あくまで内容のいい作品を作ってお客さんに薦めたいんだ。
この考え方、ものすごく共感できます。人とのつながりは重要ですが、ただ名前を売り、その知名度だけで仕事を行うというのが、いまいちしっくり来ないでいたのですよ。有名だから私に仕事を発注するのではなく、私の仕事のクオリティが良いから仕事を発注してほしい。
この考え方は素晴らしいですよ。
他にも大野さんのプロ意識の高さを感じさせるコメントはあった。
音楽なんてどうでもいいの。知らないことが視覚から入ることで音楽に変換される、その能力がだんだん付いてくる。頭が刺激された時、それって誰か他の人の曲を聴いたときでもいいんだよ、それをマネするとかそういうのじゃなく、それを聴いたことで気持ちが高ぶるっていうか
と
CMやっていくうちにギャラが上がって行くでしょ。そうするとクライアントからの注文も難しくなっていくし、文句も言われやすくなる。そんな中で文句を言わせないためには、やっぱり勉強するしかない。よく行ったレコード屋には、僕と筒美京平のレコードがいつも取り置きされてた。枚数も同じくらいの量だったな。
天才大野雄二であっても、ひたすら勉強していた、と。そりゃ、若い頃の話かもしれないけれど、「文句を言わせない」ほどの知識量をつける程に勉強をしていたと。経験のなさを勉強でカバーする。その努力があったからゆえ、今の大野雄二さんがいるということですね。色んな音楽を聞き続けてきた。博学である。この姿勢はプロとしてふつーというか、最低限必要なことなんだろうな。
好きなことだからのめり込むというのもあるけれど、楽しいからこそ、のめり込むんだろうな。どんな状況でも仕事を楽しめる。70過ぎても、はじめてJAZZに出逢った頃のように、音楽を楽しむ。
そんな大人にワタシも成りたいですな。
で、本書には大野雄二さんのオススメアルバムが紹介されているわけですよ。もちろん、それらを聞かねばならないですよ。
Red Garland - A Garland of Red (Full Album)
「A Garland Of Red」
Miles Davis - Round About Midnight (1957) Full Album
「Round About Midnight」
more hits of the 50's and 60's (1963) FULL ALBUM count basie
「This Time By Basie-Hits Of The 50's & 60's」
Cannonball Adderley Quintet - "Mercy, Mercy, Mercy" (1966)
「Mercy, Mercy, Mercy」
いや~音楽っていいものですね。
JAZZ、やりたくなったな。