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どこでも誰とでも働ける 12の会社で学んだ"これから"の仕事と転職のルール

著者:尾原和啓
発行元:ダイヤモンド社

 

目次

はじめに
第一章 どこでも誰とでも働ける仕事術
第二章 人生100年時代の転職哲学
第三章 AI時代に通用する働き方のヒント
おわりに

 

感想

いくら転職が一般的になってきたからと言って、「12回も転職をしました~」なんて言われたらちょっと引いてしまうでしょう。この内容で職務経歴書を作り、履歴書を持って転職活動をしても、転職回数で足切りされてしまうってこともあるでしょう。転職エージェントに登録しようとしたって、「この年令で、この回数は。。。」とドン引きされることでしょう。

 

でも、ワタシはそんな尾原さんの生き方を支持します。そんな生き方に憧れます。

 

マッキンゼー・アンド・カンパニーを皮切りに、NTTドコモリクルート、ケイ・ラボラトリー、サイバード、オプト、グーグル、楽天Fringe81と会社を渡り歩いた尾原さん。ここだけ切り取ると「何というジョブホッパーなんだ!」になりますが、尾原さんは、業務の方向性としては、ちゃんと一貫性があるのですよね。本書の中にも記述があったけれど、プロジェクト単位で会社を変えているような感じ。

 

そうなんですよ。

尾原さんは就職したんですよ。就職。日本人によくある就社(会社に所属する)のではなく、自分がプロフェッショナリズムを持っていると胸を張って言える仕事に就職したんですよ。

 

では、そのプロフェッショナリズムを尾原さんはどのように定義しているのか?というと、このように定義しているのだ。

 

プロフェッショナルの語源は、自分が何者であるか、何ができて何ができないかを、自分の責任転嫁「プロフェス(公言)」することです。自分で字分を律して成果を出し、それを相手にしっかり説明して、相手側それを評価してくれること。この3つを行うことができれば、どんな職種であれ「プロ」と名乗ることができます。

 

自分が一体何者であるのか?それを自分でちゃんと言うことができるのか?お金もらっているからプロなわけじゃないんですよね。お金をもらったら、ちゃんとその対価として成果を提供して、かつ、お客様にそれを納得してもらわなければならないわけですね。そこまで、やって、はじめてプロであると。

 

こういう概念的なプロ論も語る一方で、すげー具体的にプロについて語ってくれていたりするのも素敵です。

 

「自分がいただいた給料の10倍以上の利益を返して、はじめてスタート地点」
「新しい職場では、まず誰もが手をつけたがらない汚れ仕事を黙々とやり、汚れを剥ぎ取ることで成果を出す」
「上の人には認められていないが、実は価値を出されている方々を見いだし、彼らの言葉を引き出して、上に通じるように彼らの価値を翻訳、接続する」
などなど。これは、マッキンゼー時代に叩き込まれたプロフェッショナルの考え方に根ざしているのです。 

 

マッキンゼー時代に尾原さんが教えてもらったプロ論なんですと。この喩えは凄いわかりやすいので、うちの会社の若いものにも伝えようと思う。とくに2番目「誰もやりたがらない仕事をやれ」っていうのはいいですね。そこで実績を残せば、ライバルが誰もいない状態でプロとしておまんまを食べることができるようになりますから。

 

自分のポジションを確立する、まさに「旗を立てるです」よね、と思ったら、そんな記述が、本書の前半部分にイキナリ出てきたりします。

 

自分のもつ知識をオープニングにすると、「旗を立てる」という効果もあります。要するに、最初にそれを言った人というふうに、まわりの人柄認知してくれる。最初に行っと言うこと自体がブランドだし、旗を立てたところには、それに関心がある人たちや情報がどんどん集まってきます。(中略)知識や情報は隠すよりオープンにしたほうが自分のためになり、他の人からも信頼されるから、圧倒的に得なのです。 

 

働き方改革だ、脱社畜だ、なんだかんだと言われていますが、働き方改革で恩恵を受けたり、脱社畜で恩恵を受けたりすることができる人というのは、本当のプロだけだったりするのですよね。会社の看板がないと仕事ができない。ある会社のなかっだけでしか通用しないルールしかしらない。それではダメだと、尾原さんは言っているんですよね。そして、会社に属していてもプロフェッショナルであると胸を張って宣言できるような人であれば、どんな状況であっても仕事がやってくる。それも、好きなように仕事ができると。

 

では、そのプロフェッショナルになるためにはどうすればいいのか?という問いに対しても、答えを与えてくれる優しい本だったりするのですよ。

 

三木谷イズムの真髄は、1年365日、毎日の継続を重視している点です。その象徴としてよく語られるのが、「1日1%の改善」です。どんなことであれ、毎日1%ずつ改善していくと1.01の365乗で、1年で37.8倍くらいになります。それに対して、毎日1%ずつ力を抜いたとすると、0.99%の365乗で0.026倍。つまり、1年で元の実力の40分の1まで下がってしまう計算です。 

 

書いてあること・やることはなかなかえげつなかったりしますが、毎日少しずつ努力をして前進するということが何よりも重要なんだと。そうしないと仕事はどんどん奪われて、単なる作業者になってしまうというわけですね。

 

そして、最後に。

これからやってくるAI大活躍時代にあって、ちゃんとしたプロフェッショナルとして、AIに負けずに生きていく方法も、本書には書かれているのです。

 

それは

今後はAIがますます進化し、人間の仕事を代替するようになっていきますが、そうした時代にあっても熱量で仕事を動かすリクルート的なリーダーシップはなくなりません。「自分事化」は、成長を加速し、人を動かす原動力であり続けるはずです。

エンジニアリングでいちばん大事な資質は何かと聞いて、課題発見力と答える日本人はまずいません。それどころか、誰かが考えた解決策を実行に落とし込むのがエンジニアの仕事だと思っている人がたくさんいます。しかし、グーグルでエンジニアに一番求められるのは、自ら解決可能な最大の課題を設定し、それを最後までやり抜く能力です。

これ。

 

前者においては松岡修造のような熱量と、自分事化の精神を持って対処すればいいのだと思われますな。で、問題は後者。課題を設定することができるというのは、実はむちゃくちゃ高等スキルなわけですよ。答えを覚えるのでもなければ、公式を覚えるのでもない。そもそも、課題を自分で見つけるということは、答えだって自分で見つけ出さなければいけないわけで。マニュアル通りに仕事をするのとはアプローチの方法が全く違うわけですよ。

 

もう、そういうことが求められている時代に私達は生きている。
でも。それに対処する方法はある。

 

そんなことをこの本は教えてくれます。

 

あと、最後に。この資料の作り方はためになりますね。

ブランクチャートというのは、たとえば、プレゼンの資料を9枚でまとめるとすると、まず9分割して、1枚目は「市場課題」、2枚めは「情報課題」、3枚目は「チャンス課題」と、タイトルに書き込んでいきます。4枚目でそこから見える「仮説」を提示し、5枚目で「仮説の検証方法」を説明したら、6枚目は実際の「アクション」です。そして7枚目で「中期マイルストーン」を明示し、8枚目で「リスク」を予測して、最後の9枚目で「結論」を述べます。こうして先に全体のストーリーを作って、各ページの役割分担が決まったら、次にやるのは、各ページに入る「1行メッセージ」を考えることです。この「1行メッセージ」だけを見ていけばクライアントにこちらの提案に納得していただける。そういう全体像を先に作っておくのです。この時点では、「1行メッセージ」の下はブランク(空欄)でかまいません。

 

 

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール