発行元:クレタパブリッシング
目次
スペシャルトークバトル 藤波辰爾vs.初代タイガーマスク
第一章 馬場・猪木両巨頭の時代 1972-1975
第二章 猪木全盛期 異種格闘技の時代 1976-1980
第三章 プロレスブーム絶頂時代 1981-1984
第四章 昭和プロレス終焉時代
外国人レスラー列伝
感想
いま、プロレスブームの真っ只中なのです。ブシロードの手により復活した新日本プロレス。どの試合もプラチナチケット状態(それは言い過ぎか)。その他、団体も、男子女子かかわらず人気なのである。
でも、それをしっているのは一部のマニアだけ。中邑真輔や、ASUKAがアメリカでトップをとり、日本に凱旋しても、あまりニュースにはならない。そもそも、この二人を知らない人のほうが多いかと。
昭和のプロレスは違った。猪木や馬場はもちろん、天龍や、鶴田、長州の名前は日本全国に知れ渡っていた。べつに、バラエティ番組に出なくても。
プロレスラーがプロレスラーであったのが、昭和のプロレスなのである。馬場や、猪木をはじめ、日本人、海外勢含めて数多くのプロレスラーが紹介されているけれど、誰も彼もが、プロレスラーとして全速力で生き抜いてきてきたことがわかる。リングを降りたらふつーの人ではないんだよね。リングを降りてもプロレスラー。
そしてプロレスラーは強いことが求められるけれど、強いだけではだめな世界でもある。プロレスラーの価値は「どれだけ観客を呼べるのか?」によって決まる。強いけれど客を呼べないレスラーの悲しさも、本書は教えてくれる。
究極の個人事業主。社長、ブッカー、プロモーター、様々な、大人たちがうごめく中で、自身の価値を最大限に魅せていく。勝ち負けではないところで評価される世界。勝ち負けだけなら、レスリングや、柔道、ボクシングにいけよという。
この究極の個人事業主の世界って、我々が目指している21世紀型社会のことなんじゃないかと、思ったりもする。一応会社には属するけれど、会社は会社。基礎トレはしてくれるけれど、自分の魅力は自分で磨かないといけない。将来有望な若者は修行として海外に出されるけど、成果を出さなければ帰国できない。国内でどんなにがんばったところで、海外で名前が知られていなければ意味がない。海外で名前が知られていれば、会社なんてどーでもいい。でもね、日本の会社には海外の会社にはない良さがある。ギャラは安いかもしれないけれど、固定だし、年取っても居場所あるしね。
どんどんどんどん働き方改革が行われ、個の力が求められる時代になればなるほど、昭和のプロレスラー的な生き方が求められてくるのではないか?と。
私が目指すのは、山本小鉄か、藤原喜明の路線だな。マサ斎藤や、グレートカブキのようなアメリカナイズされた魅力はないけれど、日本人としての力はあると。
もしくは、カッコつけて前田日明。
でも、一番好きなレスラーはマサ斎藤なんだよなw