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ジムニー物語 ホープスターON型4WDとスズキジムニーLJ10の誕生

著者:二階堂裕
発行元:SSC出版物

 

目次

第一章 ホープスターON型4WDの登場
第二章 ホープスターON型4WD試乗記
第三章 新たなる再生 ジムニー誕生物語
第四章 グレートミニ4×4の誕生
第五章 ジムニーLJ10試乗記

 

感想


復活!初代ジムニーLJ10

ジムニーの歴史について、元スズキ社員で、日本屈指のジムニーマニアである二階堂裕さんが書き下ろしたというのであれば、その本を買わずにはおれないでしょう、ということで買いました。読みました。

 

ジムニーの歴史というと、その初代モデルであるLJ10から語られることが多いけれど、ジムニーは元々ホープスターON型というモデルであったわけで、本書ではそのホープスター時代についても話が触れられているのが素敵。

 

ジムニーについては、結構詳しいかと思っていたのですが、まだまだでした。エンジンが三菱製だというのは知っていたのですが、エンジン以外のパーツも、かなりの割合で三菱製だったとは。そして、小さな2ストのエンジンを搭載しているのにボンネットが盛り上がっているのは、三菱からエアクリーナーをいじるなと言われていたからなのね。

 

そして、スズキに製造権を購入してもらうためにスズキ製のエンジンを積んだホープスターON型があっただなんて知らなかった。

 

ホープスターON型の開発者は小野定良氏。本田宗一郎と並ぶ自動車業界の発明家として有名だった。その小野定良氏からホープスターON型の製造権を買い取ったのがスズキの鈴木修氏。いまや、世界最強の中小企業であるスズキであるが、当時は文字通りの中小企業。そんな中小企業の社長の娘婿が勝手にまとめてきた商談相手がホープ自動車で、買うと決めてきたのがホープスターON型であったと。

 

本書で二階堂裕さんも触れていましたが、サラッと書いてありますが、スズキの開発陣全否定の振る舞いなのよね。

 

どーすんだ、これ?

と。

 

だからLJ10 のI型のデータって、ほとんど残ってないのだとな。完全な妾の子状態だからね。ふつーありえないからね。リーフが思いの外売れなかったからと、日産がトヨタにリーフの権利を売り飛ばすようものだからね。

 

でもさ、発売前のクルマであれば、製造販売元が大きく変わった例があるんだよね。それは2000GT。日産に話を持っていったけど、だめだったからヤマハトヨタに持って行ったわけでさ。

 

どちらにしろ、鈴木修さんのビジネスセンスはすごかったってことだな。アメリカでのバイクビジネスはコケたけどな。このジムニー、そしてアルト、ワゴンRと、大ヒットをかっ飛ばしてきた。ジムニー、アルト、ワゴンRの共通点といえば、今までになかった市場を作り出したということと、何も新しい技術を使っていないということだ。目のつけどころだけで新たなビジネスを作り出してきたのがすごいのよね。

 

そんなジムニーの骨格といえば

ラダーフレーム、リジッドアクセル、高低2速トランスファー

 

これは20年後にモデルチェンジするときも、変わらないのだろうな。

そして、ほしいな、やっぱり。

 

ジムニー物語第一巻 ホープスターON型4WDとスズキジムニーLJ10の誕生 (メディアパルムック)

ジムニー物語第一巻 ホープスターON型4WDとスズキジムニーLJ10の誕生 (メディアパルムック)