著者:ティム・ハード
役者:遠藤真美
発行元:日本経済新聞社
目次
はじめに
I 勝者と敗者
II 暮らし方を一変させる
III 新しいシステムを発明する
IV アイディアに関するアイディア
V 発明はどこからやってくるのか
VI 見える手
VII 「車輪」を発明する
結び
感想
我々の世界には、それぞれ、意味があるのです。何気なく利用している仕組みや、サービスも、それぞれに意味を持っているのです。
何気なく利用しているもの、そのサービスや者が登場したことにより、今の世界が生まれたわけですよ。経済が発展したと。
そういう50の発明というか、発見が記載されている本。
とはいえ、この本で紹介されている内容はジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」や、マルク・レビンソンの「コンテナ物語」で紹介されていることだったりします。
そんなわけでして、知っている話はしっている話です。
でもね、ここに紹介されている50の物語をすべて知っている博学な人って、荒俣宏先生か、佐藤優先生くらいしかいないんじゃないかと。
で、ぶっちゃけ、この本に書かれている内容を知らなくても、フツーに生活はできます。iPhoneの成り立ちを知らなくても、フツーにスマホでゲームはできますからね。ディーゼルエンジンの発明者がディーゼルって人で、軽油だけでなく、植物油でも動くエンジンを最初から考えていたってことを知らなくても、天ぷら油で動くバスを見て「おお!すげぇ!」って驚くことできますからね。
でもね、知っているといいことがあるんですよ。
なぜ、ディーゼルさんに「暗殺」という噂が立っていたのか? なぜ「有鉛ガソリン」はその危険性が指摘されていながらも、長年、使われ続けていたのか?を知っていると、今後新しい技術が出てきたときの対応方法や、世の中で発表される情報に対する疑問の投げかけ方を知ることができるからね。
知らなくても、生活はできるんだよ。
でも、そのスタンスだと、ずっと「社会の傍観者」で終わってしまう。
社会の傍観者って言い方は大げさだけれど、人生を主体的に生き抜くのであれば、こういう情報をたくさん知っていたほうが良いのよね。
人生を豊かに、楽しくしてくれる、そんな情報が詰まっている本です。