著者:岩永嘉弘
発行元:日本経済新聞出版社
目次
1 初めにネーミングありき
2 ネーミングはブランディングだ
3 進化の歴史は続く「ネーミングNOW」
4 劇的ネーミングの作り方
感想
著者はコピーライターの大御所。本人はコピーライターと呼ばれることと、その肩書をあまり気に入っていない御様子だけれど。
「日立洗濯機からまん棒」とか「東急Bunkamura」とか「日清oillio」という商品名を生み出したすごい人なわけだ。
そんなわけで、サブタイトルが「商品名が主役に躍り出た」なのですね。
前段といいますか、全体といいますか、本書の殆どはネーミング、コピーの解説に費やされています。
それはそれでオモシロイエッセイなのですが、個人的にグサグサ刺さったのが、「劇的ネーミングの作り方」ですね。
勘とひらめきだけでネーミングが作られているのかと思いきや、そんなことはなかった。ちゃんと、ネーミング作成のプロセスがあるのだ。
そのネーミング作成のプロセスは「ネーミング作業表」として紹介されている。
それは
商品実体の把握
↓
マーケティング・コンセプトの把握
↓
ターゲットの分析
↓
ネーミング・アプローチの設定
↓
キーワード検索
↓
ネーミング作成
↓
ネーミング・チェックポイント検証
↓
ネーミングの商標登録
となっている、と。
その中でなんとなくわかりにくい「商品実体の把握」と「ネーミングの基本バターン」を防備録として記しておく。
商品実体の把握とは、そのモノやコトを把握することである、と。
その把握軸は
●物語=商品の成り立ち
●性質=嗜好性
●機能
●形状
となる。
「ネーミングの基本バターン」とは
①素ネーミング
②足し算ネーミング
③引き算ネーミング
④掛け算ネーミング
となる。
で、作り上げたネーミングが良いのか?どーか?を調べるために「ネーミング・チェックポイント検証」がある。
それは
1 情報とイメージが、表現されているか?
2 簡明か?
3 呼びやすいか?
4 覚えやすいか?
5 親しみやすいか?
と、なる。
どちらかというと、エッセイとしてこの本を読む人が多いかと思いますが、ネーミング&コピーライティングの教科書としても、つかえるかと。
とくに、Webコンテンツの運用や作成をしている人は、参考にしたほうが良いね。SEO対策よりも、重要な話が、ここには書かれています。