著者:和田博文
発行元:筑摩書房
目次
序章 旅の始めに 近大日本とシベリア鉄道
第一章 十九世紀後半=世界分割時代の大鉄道計画
第二章 日露戦争とシベリア鉄道全線開通
第三章 第一次世界大戦とシベリア出兵
第四章 ソ連との国交回復と「黄金の二十世紀」
第五章 「満州国」建国宣言と第二次対戦
終章 旅の終わりに 2012年ユーラシア大陸横断鉄道記
感想
個人的に、小さい頃から長旅に憧れている。それも、鉄道や、船、自動車など、移動に時間がかかる長旅に憧れている。
これはきっと、帰るべき場所があるということに関係しているのではないのか?と思う今日この頃。特急よりも、各駅停車が良い。それはどこよりも落ち着く、帰る場所があるからなんだと思う。
そんないつか叶える長旅プランの中で筆頭なのが、「シベリア鉄道でウラジオストクからサンクトペテルブルク」である。
ということで、本書を読んでみる。
その道中の話が盛り沢山かと思いきや、血ガッた。
いや、道中の話はたくさん出てくる。
でも、単なる旅行記ではなく、歴史的流れを踏まえてのお話で、である。モスクワからウラジオストクへの移動が、文字通り命がけ出会った時代を経て、その距離をすばやく移動するために作られた鉄道。
全線開通と言われても、バイカル湖を船で渡ることとなっていた、初期のはなし。
その後、バイカル湖線ができ、船に乗ることなく、東西シベリアを移動できるようになった頃、ロシアという国はソビエトに代わった。
いや、時代はズレるけどね。
革命が起きて政府が変わっても、その存在意義は変わらなかったシベリア鉄道。満州事変から、第二次対戦となり、それが集結しても、同じだった。
人々の移動手段であり、軍事的には重要な兵站てあり、自国の兵士だけでなく、捕虜までも運んだ。
鉄道で平和な旅を想像していたワタシの予想を遥かに超えていく、現実。
いや、多少は知っていましたが、そこまでのものとは。
プーチン閣下が、ラスボス的に扱われ、少しきな臭い感じがしますが、当時と比べれば、圧倒的に平和なので、そんな平和なシベリア鉄道で旅してみたい。
シベリア鉄道紀行史―アジアとヨーロッパを結ぶ旅 (筑摩選書)
- 作者: 和田博文
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/01/01
- メディア: 単行本
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