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戦略にこそ「戦略」が必要だ ―正しいアプローチを選び、実行する

著者:マーティン・リーブス、クヌート・ハーネス、ジャンメジャ・シンハ
発行元:日経新聞出版社

 

目次


第1章 戦略に戦略が必要な理由
第2章 クラシカル型戦略アプローチ--規模を拡大する
第3章 アダプティブ型戦略アプローチ--素早く動く
第4章 ビジョナリー型戦略アプローチ--パイオニアになる
第5章 シェーピング型戦略アプローチ--オーケストレーターになる
第6章 リニューアル型戦略アプローチ--生存能力を高める
第7章 両利き--さまざまな色をもつ
第8章 リーダーの心得--生命を吹き込む
エピローグ 戦略パレットに習熟する

 

感想

 

サブタイトルは「正しいアプローチを選び、実行する」ですね。

 

あまりにも、当たり前すぎる話ですな。でも、それができている企業は少ない。

 

なぜならば、過去に話題になった戦略や、フレイムワークを自社のビジネスモデルを考慮せずに、当てはめようとするから。

 

そりゃ、無理ですよね、と。どんなに流行りの服が人気でも、ワンサイズだけで、すべてをまかなえるわけではないのですから。

 

流行りのリーンスタートアップだ、なんだかんだ言っても、それが当てはまる世界と、そうでない世界があるわけで。

 

で、本書では、その世界を仕分けるためのフレイムワークとして「戦略パレット」というものを提案している。

 

その世界≒事業環境を「予測可能性」「可変可能性」「過酷さ」の三軸で整理しているのよね。

 

で、この三軸でマトリックスを作成すると、環境は5種類に分類できる、と。

で、それぞれは下記のように分類される。

 

クラシカル(伝統)型
予測できるが、作り変えることはできない。

アダプティブ(適応)型
予測できず、作り変えることもできない。

ビジョナリー(ビジョン牽引)型
予測でき、作り変えることができる

シェーピング(協創)型
予測できないが、つくり変えることかできる

リニューアル(再生)型
リソースの成約が厳しい

 

そして、それぞれ、自分の事業が、どこに当てはまるのか?を定義する、見つけるのが重要であると。

 

で、一つの会社であっても、それぞれの事業&部署では取るべき戦略が異なってくるので、要注意ですと。

 

で、それぞれを深堀していくと、次のような内容になっていくとな。

 

クラシカル(伝統)型
基本概念は【「持続可能な競争優位」を構築する】。
予測できるが、作り変えることはできない。
規模や差別化、組織能力による優位性に基づくポジショニング戦略が役に立つ。これは、徹底的な分析や計画立案により構築できる。

 

クラシカル型戦略が取れる企業は、その業界のリーダー企業なわけですな。
そのため、競争の基盤は安定的である、と。

 

クラシカル型戦略アプローチは、大きな混乱もなく緩やかに環境が推移するので

分析→計画→実行

という流れになる。

 

アダプティブ(適応)型
予測できず、作り変えることもできない。
急速に変化し、予測し難い状況では計画が機能しないため、継続的な実験が求められる。
変化の兆しをつかみ、実験を繰り返す。

 

予測が難しく、優位性を維持できる期間が短い状況では、絶え間ない破壊的変化に対する唯一の防御は、十分な備えと、繰り返し自らを変革する能力がなにより重要になってくる。

 

そのような状況下にあるアダプティブ型戦略アプローチは多様化・選択・拡大のサイクルをグルグル回り続けることとなる。

 

 

ビジョナリー(ビジョン牽引)型
予測でき、作り変えることができる。
未来を自ら創り出す。
新市場を創り出すか既存市場を破壊する最初の企業になることにより勝利がもたらされる。

 


ここに分類される企業は、一社の力で事業環境をつくり、あるいは作り直すことができると考えている。


そんなビジョナリー型企業の勝利の鍵は、革新的な新製品やビジネスモデルを最初に投入することにある。

 

ビジョナリー型リーダー企業は、まず高い価値を創出でき、かつ、実現可能性の高い事業機会を構想する。

そのため、アプローチは

構想

構築

貫徹

となる。

 

シェーピング(協創)型
予測できないが、つくり変えることかできる。
パートナーと協業し、市場を想像する。
様々なステークホルダーの活動をオーケストラのようにうまく編成して彼らと協業することで、自社に有名な方向に業界を形成できる。

 

一社だけの力では業界全体を形成することはできないため、他社との協業が必須となる。

 

このような状況下でのシェーピング型戦略アプローチは、巻き込む・編成・調整・進化のサイクルをグルグル回ることとなる。

 

リニューアル(再生)型
企業の活力と競争力を再生させる。
リソースの成約が厳しい。
企業はまず、経営資源を確保して存続可能性を高める必要がある。
過酷な事業環境下で企業が圧力や競争力を取り戻すことを狙いとする。このような困難な状況は、長期にわたる企業の戦略アプローチと環境のミスマッチや、深刻な外的・内的ショックにより引き起こされる。

 

このような状況下で、何よりも必要なのは、状況が悪化していることに反応すること。そして業務の効率化を図り、再び成長の軌道に乗せること。

ということで、リニューアル型アプローチは

反応

効率化

成長

になる。


で、このようにものすごくためになることばかりの内容だったのですが、その中でも特に心に刺さったのが、ここですな。

 

クラシカル型戦略では情報が決定的に重要であり、特有の役割を果たしている。すなわち、情報は分析と戦略立案のプロセスに材料を提供するとともに、実行の進捗状況の追跡を可能にする。市場・競合情報、パフォーマンス追跡の精度や質を高めれば、競争優位を巡る戦いのゲームを変えることもできる。つまり、情報マネジメントに磨きをかければ、競合企業よりも優れた事業計画を立案し、競争の力学の変化に機敏に対応し、戦略の実行能力を高めることが可能になるのだ。

 

何度も読み返したくなる名著ですね。

 

 

 

戦略にこそ「戦略」が必要だ ―正しいアプローチを選び、実行する

戦略にこそ「戦略」が必要だ ―正しいアプローチを選び、実行する