カンマニのWEB銭

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さん「カンマニ」が綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

21世紀の資本

 

 

目次

第 I 部 所得と資本

■第1章 所得と産出

■第2章 経済成長──幻想と現実

第 II 部 資本/所得比率の動学

■第3章 資本の変化
■第4章 古いヨーロッパから新世界へ

■第5章 長期的に見た資本/所得比率
■第6章 21世紀における資本と労働の分配
第 III 部 格差の構造

■第7章 格差と集中──予備的な見通し
■第8章 二つの世界
■第9章 労働所得の格差
■第10章 資本所有の格差
■第11章 長期的に見た能力と相続
■第12章 21世紀における世界的な富の格差
第 IV 部 21世紀の資本規制

■第13章 21世紀の社会国家
■第14章 累進所得税再考
■第15章 世界的な資本税
■第16章 公的債務の問題

 

感想

今一番売れている経済書

 

ってか、こんな分厚い経済の専門書が10万部以上も売れているってびっくりだわ。

 

で、民主党や、社民党など「労働者が国の基本です。でも、その労働者は正社員だけですが、何か。そんな労働者を代表する労組の幹部が資本家な見に報酬をもらっていて何が悪いんですか?( ー`дー´)キリッ」という方々のバイブルになっているらしいですが

 

どっちも、「ほんとか?」と思ってしまう。

 

格差発生のメカニズムと、格差が引き起こす問題点には触れているが、格差は絶対悪で、格差を生み出してしまう仕組み自体が間違いなのだという、ポルポト的な主張はどこにも見当たらなかったと思ふ。

 

そもそも、なんで格差というか、経済的問題が発生してしまうのか?というそもそも論に対して、ピケティは歴史的アプローチを見せるのですけれど

 

それは人口の爆発的増加によるもので、近代(中世?)ヨーロッパではそれが問題にあっていたということが書かれているのですよ。

 

それは5ページ

 

フランスの人口は更に18世紀を通じて、ルイ14世時代の終わりからルイ16世の処刑までずっと安定して増加し、1780年には3000万人近くになった。1789年の爆発に先立つ数十年で農業賃金が停滞し、地代が上昇したのは、どう考えてもこの空前の急激な人口増のおかげだ。

 

に記載されているわけですなわ。

 

これが、この本の柱になる考え方ですわな。

 

財政政策も、金融政策もへったくれもなかった時代にあって、人口の増加=需要の増加が神の見えざる手であって、人口が増えれば増えれほど、商品の希少性が上がり、インフレ的状況になるってわけなんですわな、と。

 

で、この辺の話や疑問に答えたのがリカードや、マルクスであった、と。

 

で、この辺の話を含めて資本収益率が、経済の成長率を大幅に上回ると云々かんぬんという話、この本の柱ですな、底に行くわけですよ。

 

で、

r>g

という不等式が出てくるのですな。

 

しかし、29ページに

 

私の結論は、マルクスの無限蓄積の原理と永続的格差拡大の含意ほど悲惨ではない(というのもマルクスの理論は暗黙のうちに、長期的な生産性増大がゼロだという厳密な想定に依存しているからだ)。私が提案するモデルでは、格差拡大は永続的ではないし、富の分配も将来の方向性としてあり得るいくつかの可能性のひとつでしかない。だが考えられる可能性はあまり心やすまるものではない。

 

で、

資本市場が完全になればなるほど、rがgを上回る可能性も高まる。

と、話を続けるわけだ。

 

で、累進課税とか重要だけれど、これは国際協調が必要なんだよねぇ・・・と話を続ける。

 

これ、30ページくらいまでの話なんだけれど、菅直人とか、ここまでも読んでいないんじゃないのかしら?なんて思ってしまうわw

あと

r>g

という式以外に、これも重要だと思ふ。56ページ。

 

資本主義の第一基本法則 α=r✕g

 

これで資本主義の第一基本法則を提示できる。これは資本ストックを、資本からの所得フローと結びつけるものだ。資本/所得比率βは、国民所得の中で資本からの所得の占める割合(αで表す)と単純な関係を持っており、以下の式で表される。

 

α=r✕β

ここでrは資本収益率だ。

 

例えばβ=600%でt=5%なら、α=r✕β=30%となる。
言い換えると、国富が国民所得の6年分で、資本収益率が5%なら、国民所得における資本のシェアは30%ということだ。

 

なにげに、個人的にこの本の肝はここな気がするんだよな。

で、この第一法則を受けて、第二法則に話が移るわけですわな。

 

資本主義の第二基本法則は

β=s/g

βは資本/所得比率、sは所得率、gは成長率

となるのですな。

 

で、これは何を意味しているかというと

 

175ページ

 

ほとんど停滞した社会では、過去に蓄積された富が、異様なほどの重要性を確実に持つようになる。

 

って、ことを証明している式なわけですわな。

 

で、繰り返しになるけれど、この本は「格差、ダメ!ゼッタイ」的なことを説いている本ではなく、経済学の本なわけですわな。

 

クメール・ルージュマンセーじゃないんだからさ。

 

ただ、発生してしまう格差はなんとかしなければならない。

 

そして、その格差解消方法が書かれているのですよ。

 

それは、まず教育と技能への投資(325ページ)

 

労働者の質を上げて、賃金をたくさんもらえるようにしましょうって話だな。

で、次は戦争(412ページ)

 

すべてがガラガラポンされるので、格差どころの騒ぎでなくなる。

 

世界の経済誌において、格差が採用化されるのって戦争が起きた時なんだよな。

 

きっちり、それはこの本に書いてある。

 

なので、「格差、ダメ!ゼッタイ」は戦争賛成派なのかしら?と思ってしまふ。

 

で、次はインフレ(色んな所で書かれているけれど、472ページには「インフレの主な影響は、資本の平均収益を減らすことではなく、それを再分配することなのだ」という記述あるのでね)。

 

で、次は累進所得税も含まれるであろう、資本税(514ページ以降のもろもろ)。

 

金持っているやつから金を奪えば、そりゃ格差はなくなりますね、と。

 

みんな揃って貧乏になりましょうということに近い気がすんだな。

 

ちなみに強制的に格差をなくした国がある。

それがソヴィエト連邦

 

ソヴィエト連邦が何をやってどうなったかという話も、この本に書かれている(557ページから)。

なもんで、繰り返すのですが

 

民主党や、社民党など「労働者が国の基本です。でも、その労働者は正社員だけですが、何か。そんな労働者を代表する労組の幹部が資本家な見に報酬をもらっていて何が悪いんですか?( ー`дー´)キリッ」という方々のバイブルになっているらしいですが

どっちも、「ほんとか?」と思ってしまう。

 

ちなみに本としては非常に面白い本。

 

そして、この本を読んでいたら

 

貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?―― ヒトの進化からみた経済学

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善意で貧困はなくせるのか?―― 貧乏人の行動経済学

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最底辺のポートフォリオ

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を読みたくなりましたわ。

 

 

21世紀の資本

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