著者:谷口功
発売元:技術評論社
目次
第1章 SEがユーザ/顧客に提示する文書
第2章 文書がユーザ/顧客にわかってもらえない理由
第3章 文書を構成する要素
第4章 平易で読みやすい文書の「構成」と「展開」
第5章 読みやすくわかりやすい日本語表現の基本技術
第6章 読みやすくわかりやすい文書にする図解表現技術
第7章 文書別の表現技術
感想
これはすごいね。
国語の教科書だね。それも、正しい日本語、正しい日本語の文法を学べる本ですわ。
SEとか、プログラマー、エンジニアの方々って、一見、ドキュメント=文章製作にあまり関わらないように思われがちですが、そうではない。ヘタしたら営業の人間よりもたくさんのドキュメントを作成する。それも、かなり精緻なドキュメント作成を求められる。
で、その作り方がこの本にしっかり書かれているわけですよ。
でも、こういうことを説明しても「俺の日本語は、綺麗ではないけれど、正しいし」と思ってしまい、受け入れがたい。なので、「そうじゃないんですよ〜」と説明してくれる第2章が素晴らしい。
第2章は「文章がユーザ/顧客にわかってもらえない理由」。
それはどんな理由かというと、こんな理由。
●作成前に明確にしておくべき点が不明瞭な文章は理解されない
−文章の目的が明確でない
−読み手が誰かが明確ではない
−何を読み手に伝えるかが明確になっていない
●表現が適切でないとわかってもらえない
−常識的におかしい表現
−読み手の知識レベル/技術的背景/理解力に合わない表現
−表現に一貫性がない
●読み手のことを考えないで記述した文章は理解されにくい
−論理的ではない文章はわかりにくい
−別途説明が必要になるような文章はわかってもらえない
●独りよがりの読み手を置き去りにした文章はわかってもらえない
立ち戻ってこれらのポイントをちゃんと考えなおすだけで、かなりまともな文章がかけるようになると思いますわ。