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渡辺晋物語 昭和のスター王国を築いた男

著者:野地秩嘉
発売元:マガジンハウス

 

目次

プロローグ ザ・ピーナッツの誕生
第1部 芸能ビジネスの幕開け
昭和芸能界を作った男、渡邊晋
渡辺プロダクションの発足
ウェスタン・カーニバル
スターを支えた社員たち
日本最初のバラエティ番組「ザ・ヒットパレード」「シャボン玉ホリデー
植木等の「スーダラ節」
ザ・タイガースグループサウンズ
クレージーキャッツ「ニッポン無責任時代」大ヒット
芸能界を代表して…
海外エンタテインメントへの挑戦
第2部 タレント王国への道
ザ・ピーナッツの引退
月曜戦争
ニューミュージック
キャンディーズドリフターズ登場
拡大する組織と変化
芸能界のイメージ
渡辺プロの社内改革
吉川晃司
渡邊晋の宿命
エピローグ タレント王国は永遠に
渡邊晋という男

 

感想

 

サブタイトルは「昭和のスター王国を築いた男」。
渡辺晋とは、渡辺プロダクションの創業者。


芸能事務所というと、ジャニーズだ、バーニングだと騒ぎますが、いまある芸能ビジネスの基本を作ったのが渡辺晋で、渡辺プロダクションなわけですよ。

 

日劇エスタンカーニバルのしかけ、ヤクザと手を切る販促興行、芸能プロダクションがレコード原盤を持つ音楽出版ビジネス、芸能プロダクションによる番組制作。。。。

 

芸能プロダクションビジネスが、まだまだベンチャービジネスだった頃、群を抜くアイディアマンの生き様がわかる素晴らしい本です。

 

そして、当然ですが、出る杭は打たれるので、渡辺プロダクションを潰しにきた方々の話も生々しく記されております。

 

とくに、グループサウンズを潰しにきた話が生々しい

 

計略について、証言するのはグループサウンズの作詞を数多く手掛けた橋本淳である。
「レコード会社でいえばね、ビクター系列ってのがGS(グループサウンズ)のブームに乗り遅れちゃったのね。GSというのがなぜ短命に終わったかというと、理由があるのよ。乗り遅れたビクター系列が、どうしたらブームをつぶせるかってんでね、その頃いた優秀な演歌のディレクターの人が、つぶすにはボロイのいっぱい出せばいいってんで、ビクター系からボロイのばっかり何十組って出したのね。ミソもクソも一緒になっちゃう。悪化は良貨を駆逐するという思想のもとに、もうなんでもやっちゃったのね。だから、年間にすごい数のグループがでちゃうという現象。その頃、僕はGSにもう失望しだしてたからね。連中は勉強しないからね。できないからだんだnスタジオ・ミュージシャン使うでしょう。だから、音だけはスタジオでやってレベルが上っているのに、すてーじができなくなっていったわけ」(熱狂!GS図鑑)

これはものすごいビジネス書だよ。

 

昭和のスター王国を築いた男 渡辺晋物語

昭和のスター王国を築いた男 渡辺晋物語