目次
はじめに
第一章 バンカー西川の誕生
第二章 宿命の安宅産業
第三章 磯田一郎の時代
第四章 不良債権と寝た男
第五章 トップダウンとスピード感
第六章 日本郵政社長の苦闘
第七章 裏切りの郵政民営化
おわりに
主要参考文献
関連年譜
感想
日本の金融政策のど真ん中で、その最前線で、戦ってきた男の貴重な手記。
一般的な銀行のお話というと、融資に偏りがちなわけですが、実際、融資をしてどうやって会社を立て治らせたのかという話ばかりに脚光が浴びるのですが、この人は真逆。
不良債権の処理ばかりをし続けてきた銀行マンの人生。
誰かの失敗を自分で処理をし、未来につなぐ。
そんな仕事を淡々としてきた男。
すげぇ、かっこいい。
義理人情は優先される日本の会社にあって、自分を引き立ててくれた恩人に対して弓を引く。いや、弓を引いたのではない。自分の仲間を国を守るためには、たとえ自分の昔の恩人であっても、切り捨てる。
それくらい仕事に徹した男。
過去のしがらみを捨てるためには、何をすればいいのか?どうすればいいのか?
自分の信念を突き通すためにはどうすればいいのか?
悪名高いと言われても、自分の信念を突き通すことの重要さを教えてくれる本。
そして、鳩山邦夫と亀井静香がダメダメだということもわかる本。
政治力って、やっぱ必要なんだよな、と。
正面突破だけでは駄目なんだとな。
そして、自分の体に過信していては駄目なんだということもわかる本。
宿澤広朗さんて、すごかったんだな。
一人で銀行の業務純益の半分を稼いでいたんだとな。
生きてたら、間違いなく頭取になっていたと。。