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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

しんがり 山一證券 最後の12人

著者:清武英利
発売元:講談社

 

目次

プロローグ 号泣会見の真相
一章 予兆
 1 場末の住人
 2 ガサ入れ
 3 総会屋の影
二章 不穏
 1 取り調べ
 2 アジト
 3 反旗
三章 倒産前夜
 1 刺殺された同僚
 2 相次ぐ逮捕
 3 突然の告白
 4 終わりの始まり
四章 突然死
 1 「その日」の社員たち
 2 意地
 3 大混乱
 4 最後の聖戦
五章 しんがりの結成
 1 アンタッチャブルに挑む
 2 同志、結集す
 3 荒野の七人
 4 チームの役割
六章 社内調査
 1 ブツの押収
 2 「管理人」の告白
 3 証拠の保管先
 4 ヘドロ
七章 残りし者の意地
 1 情報提供
 2 疎んじられても
 3 清算社員のプライド
 4 焦り
八章 破綻の全真相
 1 暴走の契機
 2 不正はすぐ隣に
 3 前社長は語る
九章 魂の報告書
 1 去りゆく者たち
 2 大蔵省は知っていたのか
 3 カメラと抵抗
 4 執念の成果
 5 もう一つの報告書
 6 リーク
十章 その後のしんがり
 1 最後の仕事
 2 それぞれの「それから」
 3 「うちにおいでよ」
 4 働く意味
 5 10年後の追跡
エピローグ
あとがき 君はまだ戦っているのか

 

感想

 

大手証券会社の山一證券
護送船団方式が機能しており「金融機関は潰れない」というのが常識であった時代。
そんな時代が終わりましたとさ。
1990年代の金融危機を代表する事件が、山一證券の自主廃業。

 

膨大な簿外債務が見つかり、大蔵省から愛想をつかされ、廃業を選択し、その残務処理に携わった12人の話が、時系列で紹介されている、すごい本。

 

ここに書かれているのは、20世紀後半の日本においてエスタブリッシュメントと呼ばれていたようなヒトったちの生活。

 

村上ファンドや、ホリエモンに対して「拝金主義者が!」と罵るのではなく、山一證券で、せっせと簿外債務を作っていた人間に対して言うべき言葉だよね。

 

ということが、痛烈にわかる。

 

そして、「この拝金主義者が!」と、罵っていいのは、この本に出てくる12人だけなんじゃないかと。

 

しかし、まぁ、自分の仕事にどれだけ誇りを持って、だめなものにだめといえるのかというのが、人生を左右させるんだなと思うわけですよ。

 

うむ。

 

サラリーマンって大変だな。