著者:岩本俊幸
発売元:同文館出版
目次
第1章 BtoBマーケティングの現状
第2章 「BtoBマーケティング&セールス」という視点
第3章 BtoBマーケティング&セールス購買プロセスにおける10のフェーズ
第4章 BtoBマーケティング&セールスの6つのステップ
第5章 BtoBマーケティング&セールス媒体別の特長とステップごとの施策
第6章 BtoBマーケティング&セールスの具体例
感想
著者はB2Bマーケティングのコンサルタント。この本が、著者のマーケティングプロセスの一環であることが、最後まで読むとわかるのですな。
「うん。この本には良いことは書いてあった。この本の著者に連絡を取ってみよう」とおもえるのですよ。これ、紙媒体を利用したマーケティングプロセスなのですな。
で、本書には紙媒体のほか、自社サイト(オウンドメディア)、Web広告(ペイドメディア)、SNS広告(アーンドメディア)、プレスリリース、展示会・イベント、ダイレクトマーケティング、マス広告、交通広告、メールマガジン、セミナー、相談会(個別セミナー)、営業ツール、勉強会・説明会の具体的なプロセスというか、もう、「あなた達、具体的にこうしなさいよ!」ということがしっかり書かれている。
ちなみに、著者が考えるBtoBマーケティングの特徴とは・・・
- 取引額が大きく、複数回継続的に取引が行われる
- 決定者が複数人となる
- 関与者がそれぞれ役割が違う
- 合理的な判断で選定される
- 長期的な取引関係
- 信頼関係が求められる
- 企業イメージによって商材が選ばれる
- 商材には付加価値が必要
…なのだそうな。
ちなみに、付加価値はなんぞや?というと、サービス以上のサービスですわ。たとえば、A/Bテストのサービスを販売した時に「いや~Aのほうが良かったですね」という結果だけをユーザに提供するのではなく「なんで、Aがよかったのか?」とか、「さらにAを発展させるにはどうすればいいのか?」なんて話を提供することなのですわ。
ちなみに、著者が認識しているそんなBtoBマーケティングの課題というのは・・・
- 変化を受け入れられない経営者
- 個人の力量に頼るBtoB取引の限界
- 社内で連携が取れない
- 顧客の購買プロセスを理解できない
- BtoBマーケティングwpロジカルに説明できない
- 成約までの管理が必要
・・・ということなのだとな。
で、B2Bマーケティングにおいては顧客の購買プロセスをしっかりと計測することが重要になるのは、知っていたのだけれど、この購買プロセスを著者はしっかり定義しているのですわ。
それは・・・
- フェーズ1:課題が潜在的・未認識
- フェーズ2:担当者レベルでの課題顕在化
- フェーズ3:関係部門間での課題の共有
- フェーズ4:解決策の明確化
- フェーズ5:商品・サービス情報収集の本格化
- フェーズ6:絞り込み・比較・検討
- フェーズ7:商品・サービスの詳細・価格情報の収集
- フェーズ8:社内検証
- フェーズ9:購入先の内定
- フェーズ10:決済・承認
で、そんな見込み顧客の購買プロセスを、企業側からみた場合である、買い手のプロセスは、こうやって整理される。
STEP1:非見込み客(未認知客)
STEP2:コールドリード
STEP3:育成リード
STEP4:ホットリード
STEP5:商談客
STEP6:既存顧客
で、そんな買い手のプロセスと、購買プロセスをマッピングさせると
STEP1:非見込み客(未認知客)
→フェーズ1:課題が潜在的・未認識
STEP2:コールドリード
→フェーズ2:担当者レベルでの課題顕在化
STEP3:育成リード
→フェーズ3:関係部門間での課題の共有
フェーズ4:解決策の明確化
STEP4:ホットリード
→フェーズ5:商品・サービス情報収集の本格化
フェーズ6:絞り込み・比較・検討
STEP5:商談客
→フェーズ8:社内検証
フェーズ9:購入先の内定
STEP6:既存顧客
→フェーズ10:決済・承認
となるのですな。
あるいみあたりまえだけれど、こういうことがちゃんと定義されているので素敵。