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戦後モータージャーナル変遷史 自動車雑誌編集長が選ぶ忘れられない日本のクルマ

著者:小田部家正
発売元:グランプリ出版

 

目次

第1章 戦後の日本に希望をもたらした国産乗用車の数々
日野ルノーで運転に目覚め、初代カローラで人生の転機を掴む
第2章 試行錯誤ながら意欲的な高性能車が次々登場した60から70年代
自動車雑誌編集部へ転職し試乗記事に新風を吹き込む
第3章 排出ガス対策と低燃費化に英知を結集した国内メーカー
初めて米国大西部を取材しカルチャーショックを受ける
第4章 乗用車の高級化と多様化が急伸したバブル絶頂期
高性能4WDギャランVR-4と高級車セルシオがCOTYを獲得
第5章 新規格の採用で真の国民車に成長した軽乗用車
RJCの第1回イヤー賞はRX-7とRE生みの親・山本健一
第6章 21世紀を席巻する日本のハイブリッドとEV技術
COTYとRJCのダブル受賞は過去に5回もあった

 

感想

著者の小田部家正さんは、『ドライバー』や、『月刊自家用車』の編集をしていたお方。今はフリーの自動車ジャーナリスト。1938年生まれなので、『カーグラフィック』を創刊した小林彰太郎さんや、その盟友・三本和彦さんよりは下の世代で、徳大寺有恒さんと同じ世代。

 

なので、日本自動車業界の生き字引的な人でございますね。初代クラウンが誕生したあたりから、日産リーフが登場したあたりまでのお話がぎっしり詰まっております。

 

自動車雑誌の編集者であり、自動車ジャーナリストが「戦後モータージャーナル」と謳うくらいなので、日本の自動車ジャーナリズムのいろいろが分かるのはもちろんですが、それ以上に日本という中進国が、経済成長を遂げて先進国になって、そして停滞していくという流れが、自動車を通じてわかるようになっているのが、楽しいですわ。

 

ようやく国産車を製造できるようになって、なんとか輸出できるようになって、でも海外市場ではメタメタで、いろいろと改良を加えて、海外市場でも売れるようになって、国内市場は置いてけぼりになって、そして市場は停滞して・・・

 

世の中栄枯盛衰だというのがわかりますね。

 

 

戦後モータージャーナル変遷史―自動車雑誌編集長が選ぶ忘れられない日本のクルマ

戦後モータージャーナル変遷史―自動車雑誌編集長が選ぶ忘れられない日本のクルマ

 

 

タイトル:戦後モータージャーナル変遷史
著者:小田部家正
発売元:グランプリ出版
おすすめ度:☆☆(歴史書ですね)