著者:瀧本哲史
発売元:星海社
目次
はじめに 「武器としての教養(リベラルアーツ)」を身につけろ
ガイダンス なぜ「学ぶ」必要があるのか?
1時間目 「議論」はなんのためにあるのか?
2時間目 漠然とした問題を「具体的に」考える
3時間目 どんなときも「メリット」と「デメリット」を比較する
4時間目 反論は、「深く考える」ために必要なもの
5時間目 議論における「正しさ」とは何か
6時間目 武器としての「情報収集術」
7時間目 「決断する」ということ
感想
この人の本は使えますよねぇ。
人生というか、仕事というか、色んな所に使えるヒントがいろいろ書かれておりますし。
で、この本を読む前提は
コモディティな人間になってはいけない
ってことを知っていることですは。
代替が効くような人間だと、コストが安い人間に取って代わられてしまうってことですからね。
で、それを頭に入れて読み進めて、心にグサグサ入ってきたのが、まずは99ページ
1時間目で手に入れた「武器」
●常に「ロマン」と「ソロバン」の両方を考えよう
●金儲けはかなり大事
●人を動かすためには、相手に「具体的なメリット」を提示する
●若いうちはロマンよりソロバンを優先させろ
きっちり、金を稼げるように、まず離れって話ですわ。
金より大切なモノがある
なんて言っていると、悪い方々に騙されてしまいますわね。
ってことね。
そして133ページ
2時間目で手に入れた「武器」
●交渉の意思決定者は相手と自分
●「僕が可愛そうだからどうにかして!」では交渉にならない
●相手の主張をたくさん聞いたほうが勝ち!
●パイを「奪い合う」のではなく、パイという前提を見なおしたり、パイ自体を大きくしようと努力することが大事
●交渉は「利害の調整」が最大のポイント
2時間目の「武器」の話はむずいわな。
なるべくそうしよう、と思っていても、なかなかそうならないことは多い。
とくに
●相手の主張をたくさん聞いたほうが勝ち!
は、大変。
こっちはパイの前提を変えて、もっとお金儲けできるような提案をしようとしても、その提案自体が相手の主張を真っ向から否定するようなことになったりするわけですから
いやはや、大変なわけですよ。
で、184ページ目
3時間目で手に入れた「武器」
●常に複数の選択肢を持て!
●交渉は、双方のバトナによって決まる
●交渉は情報を集める「だけ」の勝負
●一方のビッグウィンは、もう一方のスモールウィン
ちなみに、バトナとは
Best Alternative to a Negotiated Agreement
の頭文字を取ったもので
相手の提案に合意する以外の選択肢のなかで、一番よいもの
の略なんだと。
つまり、わかりやすく言うと
テメェと交渉決裂しても、オイラは問題ねーんだよ
ってことだねw
これはあれですわな
会社から無理な人事異動とか、命令とか出された時に「やってられっか!」って、その会社を飛び出してもOKってことと一緒なわけですよ。
その会社以外でも生きていけるスキルっていうのが、この場合のバトナなのですわな。
それがあると、会社といろいろと交渉ができる、と。
で、235ページ
4時間目で手に入れた「武器」
●交渉は最初のアンカリングで決まる。
●無条件の譲歩は絶対にしない。
●「相手にとっては価値が高いが、自分にとっては価値が低いもの」を譲歩する。
●ゼロイチ思考に陥るな!
アンカリングって、交渉するときの最初の条件提示な。
これをどこに打つかで、その後の交渉はすべて決まるわけですわ。
速攻、相手にジャッジして欲しいのであれば、こちらの最大点 or 最小点をいきなりぶつける。
その答えを聞いて、自分が妥協できれば交渉成立で、妥協できなければ交渉不成立。
それ以上の交渉はしない。
逆に相手が呆れる or 諦めるギリギリの箇所にアンカリングして、そこから長い交渉を続けていくっていう方法もある。
ちなみに、本書の一番最初にかかれていますが、交渉術に正解はないのですわな。
いろんなやり方と、いろんな状況が入り乱れている。
だから、これが答えです!ってことはここには書かれていない。
でも、これらを知らないでいると、自分が主導権を握っての交渉事はできなくなる。
自分がハンドリングできるか? できないか?
それは交渉だけでなく、人生そのものにおいても同じなわけですよ。
そんな大事なことを教えてくれる1冊ですわ。
タイトル:武器としての交渉思考
著者:瀧本哲史
発売元:星海社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(読むべき本だね)