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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

天才をプロデュース?

著者:森 昌行
発行元:新潮社

 

目次

第1章 たけしワールドを“作る”―優秀なマネージャーはプロデューサーである
ビートたけしとの出会い
天才とは究極の凡人である
男同士は酒を酌み交わしても分かり合えない
表現者は死ぬまで馴れ合わない
本当のたけしってどんな人?
七割のYESと三割のNO
時には母のように見守ること
ビートたけし」が「北野武」になった理由
大きく眺めると小さなサインが見える
第2章 たけしワールドを“守る”―ピンチを味方につける逆転マネージメント(運命の事故、その裏側
一枚の写真で全てが終わる
退院と復帰のタイミング
退院会見の裏側
番組存続の駆け引き
念願のテレビ復帰、しかし…
再起をかけた映画作り)
第3章 たけしワールドを“拡大する”―映画プロデューサーという仕事
安全地帯からものを言うな
誰も歓迎しなかった『キッズ・リターン』製作
『TAKESHI’S』は『座頭市』の後しかありえなかった
「テレビで売れているから映画もヒットする」の勘違い
映画は博打じゃない
百年後も残るソフトを生み出すために
儲け話をすると人は去っていく
興行成績トップでも劇場ガラガラ、の謎
北野映画が東京でロケしない理由
地域に根付く映画館の新しい形
『3-4×10月』『TEKSHI’S』その先の北野武
第4章 たけしワールドを“売る”―北野映画の世界戦略
芸能界とショービジネス
スター選手はなぜ海を渡るのか
作品だけでは通用しない「世界の壁」
してやられた!国際契約の罠
ハリウッドは映画を自由にするか?
郷に入るか、入らぬか
映画祭はプロデューサーの正念場
偶然が生んだ世界デビュー
国際映画祭とメディアの相互チェック機能
ニュースがなければ作り出せ
東京には国際映画祭が必要だ
第5章 たけしワールドを“支える”―プロデューサーは優秀なビジネスマンである
夢見る商売のシビアな現実
考えすぎずに、考える力
坊業は最大の攻撃である
組織とは「街づくり」である
クリエイターをプロデュースするということ
バカ売れしない時代の経営術
銀獅子賞で数億円!
監督・ばんざい!』でさらに新たなステージへ)

 

感想

 

オフィス北野の社長にして北の映画のプロデューサーである森昌行氏の仕事論。
はっきり言って、背中が冷たくなるほど、厳しいです。

 

天才は究極の凡人である。自分は足りていないことを客観視する


とか


男同士は酒を酌み交わしても分かり合えない。接待から仕事は生まれない


とか


表現者は死ぬまでなれ合わない


とか。

もう、どこからどう読んでもすごい本なのですけれど、個人的にいちばん心に響いた言葉はこれ。

 

彼らにとって現実的に強い者がより強い主張をすることは当たり前のルール。逆に言えば、真に強い者はその強さが周知の事実として認められているのであれば、弱い者を必要以上に叩かない世界でもあります。それは弱者を救済することではなく、力関係の図式の中で自分が上であることの証。(112ページ)

 

さすが、映画という世界中の海戦山さんがうようよしている世界で仕事をしてきているだけのすごみはあります。
仕事に対する優しさってへりくだることじゃないワケね。

 

天才をプロデュース?

天才をプロデュース?

 

 

タイトル:天才をプロデュース?著者:森 昌行
発行元:新潮社

オススメ度:☆☆☆☆(この人もある意味天才)