著者:福田修 / 豊田 倫子 / 日本情報システム・ユーザー協会
発売元:日経BP社
目次
■1章 あなたの文章力、いかがですか?
1-1 外国人にも分かる日本語文章を書く
1-2 説明文を書いてみる
1-3 考え方の手順
1-4 例文を評価する
1-5 文章力を高めるために
1-6 文章の構成方法
1-7 文章構成案の具体的な作り方
■2章 ソフトウエア文章の目的
2-1 ソフトウエア文章の目的
2-2 ソフトウエア文章の種類
2-3 ソフトウエア文章の重要性
2-4 抽象化と具象化
2-5 ソフトウエア文章の問題
2-6 ソフトウエア技術者と文章力
■3章 日本語の特徴
3-1 壊れ始めた日本語
3-2 日本語の特徴を知る
3-3 文の構造
3-4 1文字を大切にする
3-5 英文法との比較
■4章 文章の正確さとは
4-1 不正確な文章とは、正確さとは何か
4-2 事実と推定
4-3 文章を書く上でのマナー
■5章 文章の分かりやすさとは
5-1 読み手の立場に立った文章の書き方
5-2 否定と形容詞、副詞
5-3 読みやすい文章
5-4 記号と符号の使用法
■6章 文章の品質と開発生産性の関係
6-1 開発生産性とは何か
6-2 品質とは何か
6-3 文章の品質とは
6-4 開発生産性と文章品質
6-5 品質基準について
6-6 品質管理について
■7章 文章レビューの方法
7-1 文章レビューの目的と着眼点
7-2 ITの力を借りてレビューする
7-3 文章レビュー時の心構え
7-4 ソフトウエア文章のレビュー
7-5 ソフトウエア文章のレビュー方法
7-6 ソフトウエア文章のレビュー効果
■8章 見積要求仕様書の書き方
8-1 考えを伝えることの難しさ
8-2 システムの世界での誤解
8-3 要求仕様文章のコツ
■9章 テストで文章作法の理解度を確認
9-1 問題
9-2 解説と解答例
参考資料
・ソフトウエア関連工程コード一覧表
・要求仕様書の記述例
・開発委託用RFPの記述例
・「現代仮名遣い」と「送り仮名」
感想
この本すごい。
今まで様々な日本語上達系の本を読んできたけれど、この本、ずば抜けてわかりやすい。
そして、指示が的確だわ。
この本に書かれている内容をきっちり覚えれば、そりゃきれいな文章をかけるようになりますな。
そんな本書の中で刺さったのが
「外国人にも分かる日本語文章を書く」
ということだわ。
外国人と一緒に働いているからわかるけれど、海外の方って、言葉がロジカルなのよね。
それに合わせるような文章を書くのが一番ですわ。
あと、引用と転載のさもわかりやすく説明されております。
引用とは、すでに書かれた言葉の一部を引き合いに出し、自説を捕捉するかたちで使用することです。転載とは、文の全体、もしくは一部をそのまま自分の印刷物に移して記載することです。引用はそれ自体がなくても文章が成り立ち、転載はそれなくしては文章が成り立たないものです。
この152ページにある説明、今までの疑問を解消してくれるものでしたわ。
そして220ページから始まる「要求仕様文章のコツ」がよい。
そのコツは以下11個。
- 文章は短くする。短いほどわかりやすい。
- 単一の文章で2つ以上の要求を表現してはならない。文章中に「そして」を使うことは避ける。
- 読み手がすべて理解できる確信がない限り「業界用語、略語」をしようしてはならない
- 情報の順序を表現するためにはできるだけ、箇条書きを活用したり、表や図を用いたりする
- 一貫した用語を用いる。特に異なった人びとがひとつの内容をまとめる場合は、データ・ディクショナリを準備し活用すると良い
- 以下の述語には一貫した意味をもたせる
・「する」→要求が絶対的であることを意味する
・「べきである」→要求が望ましい場合、しかし絶対的でないことを意味す
・「であろう」→要求が望ましい場合、しかし絶対的でないことを意味する
・「なければならない」→使用しない。用いる場合は「する」と同意語にする - 要求を、ネスト形式の条件文で表現してはならない。
例えば「もしXであり、または、もしYであれば●●を行い、さもなければ、もし、Zであれば△△、さもなければ◆◆」
といった表現は、非常に誤解を生じやすい - 受動的でなく、能動的に表現する
- 自然言語による記述で、複雑な関係を表現しようとしてはならない。できるだけ図を用いる。
- 関連番号のみの参照を用いてはならない
- スペルや文法に注意を払うこと
なによりも、語彙力よ、語彙力。
タイトル:SEとプロマネを極める 仕事が早くなる文章作法
著者:福田修
発売元:日経BP社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(すばらしい)