著者;川上徹也
発売元:星海社
目次
はじめに 独裁者は演説を武器にする
第一章 ヒトラーは演説こそ最強の武器だと知っていた
第二章 ヒトラーの催眠術的レトリックとストーリーの黄金律
第三章 6000万人の心をつかむ最強スピーチ術
第四章 演説の力で大逆転 現代の「独裁者」橋下徹
第五章 今日から使える<橋本流>人心掌握のスピーチ術
おわりに
感想
いや、こういう本が発売できる国って素晴らしいよな。
ヒトラーの自著が読める数少ない国だもの、日本。
ヘイトスピーチはダメなことだけれど、ヘイトスピーチ自体ではなく、ヘイトスピーチをした人間そのものを否定していくのってダメだよな。
それって言論統制だよな、と思ってしまうのだよ。
私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る(“I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it” was his attitude now. / “Je ne suis pas d’accord avec ce que vous dites, mais je défendrai jusqu’à la mort votre droit de le dire” était désormais son attitude. )というヴォルテールの考え方こそ重要だと思うんだよな。
で、話がそれたので本題。
この本を読むと「ヒトラーってすごいわ」と思えてしまうのですよ。
そして、比較対象で出てくる橋下徹もすごいわ、と。
ちなみに、ストーリーには黄金率というのがありまして
①何かが欠落した、もしくは欠落させられた主人公が
②なんとしてもやり遂げようとする遠く険しい目標・ゴールを目指して
③数多くの・障害・葛藤・敵対するものに立ち向かっていく
ことなのだと。
この黄金率は、ヒトラーの演説にも、橋下徹の演説にもピタリと当てはまるのだと。
で、105ページには「独裁者になるためのスピーチ術10箇条」というのがありまして
それは
①何よりも自分が「熱」を持て
②自分の政策を心に残るワンフレーズで表現し、それを繰り返せ
③国を欠落した主人公に仕立て上げ、それを救う白馬の騎士を演じろ
④具体的な政策は語らず大衆に夢を見させろ
⑤必ず敵を作れ、その敵をできるだけ巨大化させよ
⑥2つのストーリーを交錯させ、錯覚させよ
⑦聴衆のプイライドをくすぐれ、聴衆が心のなかで思っていることを話せ
⑧目の前の人間の利益になることを話せ
⑨強い権力者にはへつらい媚びよ、用がなくなったら捨てよ
⑩自分に風が吹いているあいだに、なるべく権限を抑えよ
似たようなものとして「橋下徹流 人を取り込むスピーチ術10箇条ってのもありました。
しかし、なんていうか、
みのもんたや、ミヤネ屋を思い浮かべてしまいましたわ。
ヒトラーよりも。
ま、似ていますがね。
タイトル:独裁者の最強スピーチ術
著者;川上徹也
発売元:星海社
おすすめ度:☆☆☆☆(よい!)