目次
「空気」の研究
「水=通常性」の研究
日本的根本主義について
あとがき
感想
日本人の中心のなさ。
あるのにない、ある意味、哲学的な日本の文化というか、決定プロセスについてよくわかる本ですわ。
その、日本の無いけどある状態を空気や、水と定義しているわけですが、そもそも日本では、なんでそんなサントリーのキャッチコピーのような状態になってしまっているのかというと127ページにその理由が書かれているのですよ。
昔の表現に従えば「一君万民」であり、これが、その考え方の基本となっている平等主義である。この表現を今様になおせば「万民」とは「オール3民」ということ、「一君」とは、それへの対比において各人が平等であることを計る「人間の極限的概念」すなわちゴム尺の固定点のようばものであり、その支点的な固定があって、それでゴムを伸縮して、はじめて「オール3民」が保証されているわけである。
この説明はスッキリはいってきましたわ。
だから、日本のあらゆる組織は圧倒的な独裁者をもとめ、文句をいいながらもみんな従うんだよ。
そういう空気を乱すことは許されないから。
で、こういう空気や水っていものは161ページ
「虚構の世界」「虚構の中に真実を求める社会」であり、それが体制とばった「虚構の支配機構」だということである。
まぁ、日本人は目に見えなものに縛られるのが好きなんだな。