目次
第1章 伝説的な失敗
──フォード社エドセルの物語
第2章 公正さの基準
──テキサス・ガルフ・サルファー社インサイダー事件
第4章 もう一つの大事件
──ケネディの死の裏側で
第5章 コミュニケーション不全
──GEの哲学者たち
第6章 最後の買い占め
──メンフィスの英雄、かく戦えり
第7章 二つめの人生
──ある理想的なビジネスマンの記録
第8章 道化の効能
──いくつかの株主総会にて
第9章 束の間の大暴落
──永遠のホセ・デ・ラ・ヴェガ
第10章 営業秘密の変遷
──ダンス、クッキー、宇宙服
感想
この本、ビル・ゲイツが「最高のビジネス書」とべた褒めしているのだそうな。
なんでも、ウォーレン・バフェットから借りて、借りパクしそうなくらいに読みまくったのだそうな。
タイトルから分かるように、この本、基本的に失敗の話が満載なのですわな。
いわゆる、失敗の本質的な。
マーケティングの失敗や、株価の大暴落や、不祥事、法廷闘争などなどが紹介されているのですわ。
具体的には
フォード社のエドセルの物語
テキサス・ガルフ・サルファー社インサイダー事件
ゼロックスの話
などなどが満載なんですが、結末を知っているエドセル以外は「へぇぇぇぇ」というか、「そんな話があるんだねぇ」というプロジェクトXというか、メガテン状態で読み進めてしまいましたわ。
そんなわけで、エドセル以外から教訓めいたことを得ることはできんでしたわ。
そんな中で刺さったのが56ページ
意味論学者のサミュエル・ハヤカワは、1958年の春に季刊誌『一般意味論レビュー』に、「エドセルはなぜ失敗したのか」という表題の論文を掲載している。この雑誌の創刊者であり、編集者でもあるハヤカワはわかりやすい表現で、車は言語と同じように「アメリカ文化の重要な象徴」であり、エドセルの一見は一般意味論の視点から考察できると主張を展開した。エドセルの大失敗は、フォード社の幹部が「購買行動調査の専門家の言葉に耳を傾けすぎたこと」が原因であると。また、顧客が抱く性別にまつわる幻想やそういった類のことを満足させる車を生み出さそうとするあまり、合理的で実用的ないフォウ手段を提供することから逸脱し、「原理原則」を無視する結果になったとも指摘している。
ビッグデータブームでデータがすべてを解決してくれそうな状態ですが、
この箇所っていうのは「おいおいそ~じゃねーだろ?」と、そんなビッグデータバブルに踊っている方々を引き戻してくれる感じですわな。
いや、いいほんだわ。
人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」
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