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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

著者:ジェフリー・ムーア
発売元:翔泳社

目次

序章 マーク・ザッカーバーグが億万長者になれるなら

第1章 ハイテク・マーケティングー錯覚
テクノロジー・ライフサイクル
ハイテク・マーケティング・モデル
事例
錯覚と知覚 ベル・カーブに潜むクラック
最初のクラック
もう一つのクラック
キャズムを発見する
キャズムに横たわる亡がら
あるハイテク企業の物語

第2章 ハイテク・マーケティングー悟り
原理
初期市場
初期市場の構造
メインストリーム市場
メインストリーム市場の構造
キャズムの再検証

第3章 Dデー
キャズムに潜む危険性
メインストリーム市場への険しい道
火を熾す方法
マイクロソフトの場合
ニッチ市場の次は?
キャズムを越えた成功事例
事例その1 ドキュメンタムーコンテンツ管理
事例その2 セールスフォース・ドットコムSaaS
事例その3 ヴイエムウェアー破壊的な仮想化プラットフォーム
理論から実践へ

第4章 攻略地点の決定
ハイリスク・ローデータ環境での意思決定
情報に基づく直観
ターゲット・カスタマーの特徴づけ シナリオの活用
事例 3Dプリンター
サンプル・シナリオ
シナリオの検証 市場開発戦略のチェックリスト  150 攻略地点に対する信念
妥当な市場規模
本章のまとめ ターゲット・マーケットの選び方

第5章 部隊の集結
ホールプロダクトの考え方
ホールプロダクトとテクノロジー・ライフサイクルの関係
ホールプロダクト構築計画
ホールプロダクトの簡略モデル
事例再掲 3Dプリンター
事例
パートナーと提携企業
本章のまとめ ホールプロダクトを構築するときの留意点

第6章 戦線の見定め
競争を作り出す
競争力を高めるポジショニング
競争を作り出す 要点
ポジショニング
ポジショニング・プロセス
裏づけの変遷
ホールプロダクトの発表
本章のまとめ 「競争力を高めるポジショニング」に関するチェックリスト

第7章 作戦の実行
顧客を満足させる販売チャネル
直販と企業による購入
ウェブによるセルフサービスと個人による購入
セールス2・0と部門管理者による購入
二層のチャネルとデザインエンジニア
付加価値再販業者と中小企業のオーナー
販売チャネルを満足させる価格設定
本章のまとめ 作戦の実行
終章キャズムを越えて
財務上の決断 ホッケースティックを折る
ベンチャー投資家の役割
ベンチャー企業経営者の役割
組織の改革 開拓者から移民へ
新たな職務
報酬に対する考え方
R&D部門についての決断 プロダクトからホールプロダクトへの移行
今後のハイテク・マーケティング
本書を終えるにあたって
補足1ハイテク市場の発達段階
補足2デジタル市場のフォー・ギアズ・モデル

 

感想

ムーアという名前で「ムーアの法則」を思うい浮かべてしまったのですが、あっちはゴードン。こっちは、ジェフリー。革新的なIT製品やサービスに飛びつく人、そうでない人を分類した有名な本の最新版。

 

購買層をこういうふうに分類しているのよね。

 

イノベーター (innovators)…新しい技術が好きで、実用性よりも新技術が好きな人。オタク。
アーリー・アドプター (early adopters)…新しい技術によって、競合相手などを出し抜きたいと思っている人々。
アーリー・マジョリティー (early majority)実用主義で役立つなら新しい技術でも取り入れたいと思っている人など。
レート・マジョリティー (late majority)…新しい技術は苦手だがみんなが使っているなら自分も使わなければと思う人たち。
ラガード (laggards)…新しい技術を嫌い、最後まで取り入れない人々。

 

で、アーリー・アドプターとアーリー・マジョリティの間には越えがたい溝があって、それをキャズムというのだ!と言うのは本書の柱ですな。

 

ちなみにキャズムを超えるのにあたって必要なのは、小難しいマーケティング理論ではなくて、全社一丸となること。関係者全員が情報を共有し、互いに進む方向を理解し合っていることが大切なんだとな。

 

ちなみに本書で言うところのマーケティングとはマーケットを作り出し、成長させ、維持し、外敵から守るための構造を取ることなんだとな。

 

じゃあ、どうすればマーケットが作れるのかというと・・・その要素は3つあるのだと。

  • 1つ目は、顧客が必要としているシステムを実現可能にする斬新なテクノロジー
  • 2つ目は、そのテクノロジーを評価して、それが現在市場に出回っているものよりも優れていることを実証してくれるテクノロジー・マニア。
  • 3つ目が、そのテクノロジーを使って現在の業務を飛躍的に進歩させようと考える、予算獲得ができるビジョナリー。

…なんだとな。

で、こうやって作ったマーケットで、どうやってキャズムを超えようとするときには、顧客の数でターゲット・マーケットを決めるのではなく、顧客が感じている痛みの大きさで決めるのだとな。

 

そう考えるとアーリー・マジョリティー が感じているであろう普段のデメリットというか、日常業務の不都合な点をひっくり返すようなテクノロジを発見すると良いってことになるわけですな。

 

 

キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

 

タイトル:キャズム Ver.2
著者:ジェフリー・ムーア
発売元:翔泳社