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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

稼ぐまちが地方を変える  誰も言わなかった10の鉄則

著者:木下斉
発売元:NHK出版

 

目次

序  章 学生社長、ハゲる
第一章 まちから「利益」を生み出そう! アメリカで学んだ「自立型」まちづくり ふたたび“実践”の世界へ 「まち会社」の顧客は誰か
第二章 まちづくりを成功させる「10の鉄則」
鉄則1 小さく始めよ
鉄則2 補助金を当てにするな
鉄則3 「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
鉄則4 「全員の合意」は必要ない
鉄則5 「先回り営業」で確実に回収
鉄則6 「利益率」にとことんこだわれ
鉄則7 「稼ぎ」を流出させるな
鉄則8 「撤退ライン」は最初に決めておけ
鉄則9 最初から専従者を雇うな
鉄則10 「お金」のルールは厳格に
第三章 自立した「民」がまちを変える 金食いインフラを「稼ぐインフラ」に 行政と民間は緊張感ある連携を
民間主導でまちを変えていく
【付録】まちを変える10の覚悟

 

感想

 

学生時代から(!)まちづくりをビジネスにしている著者が、まとめたまちづくりの秘訣。ちなみにサブタイトルは
「誰も言わなかった10の鉄則」でして、その10の鉄則とは

 

  1. 小さく始めよ
  2. 補助金を当てにするな
  3. 一蓮托生のパートナーを見つけよう
  4. 全員の合意は必要ない
  5. 先回り営業で確実に回収
  6. 利益率にとことんこだわれ
  7. 稼ぎを流出させるな
  8. 撤退ラインは最初に決めておけ
  9. 最初から専従者を雇うな
  10. お金のルールは厳格に

 

ですな。

で、この10原則も良いのですが、それ以上に心に刺さった箇所がありますわ。

まずは、3ページ。

 

私が地域事業を行うときはいつも、「まちを1つの会社に見立てて経営する」ことを基本にしています。
資金調達し、投資し、回収して、利益をあげ、それを元手としてさらに新しい事業に再投資する。このサイクルをまちの経営で徹底することが重要なのです。

 

もう、シムシティなんですよね。まちづくり。会社経営の感覚がないとダメなんだよねぇ。だから、世の中の地方自治体とか、商店街がズタボロになてしまうんだよね。

 

で、なんでそうなってしまうのか?という秘密が28ページに書いてるのですよ。

言い方は悪いですが、補助金とは麻薬のようなもの。それまで真面目に生きてきても、一発チュッと打たれただけで一斉におかしくなてしまうものなのです。上手いコト使うなんて不可能。あれだけ自立していた活動が一気に崩壊してしまうのを目の当たりにしたからこそ、心から言えます。誰にも悪意がなくても、お金による支援というのは、相手を一気に蝕むのです。

地方自治体とか、商店街とか、補助金もらって「補助金を使い切る」ってことに、考えが集中しちゃうからダメなんだよね。

で、そんなおっさん連中に信頼してもらうにはどうすればいいのか?ということが56ページに書いてありますわ。

これはかつて、早稲田商店会の会長から教えられたことでもあります。仕事のうえで相手に信用されたいなら、「最終的には儲かりますよ」と口説いてもダメ。「自分の利益を確保したうえであなたにお金を払いますよ」と言ってもダメ。まずは、事業をつくり、相手に三回得をさせれば、信用してくれる。自分より先に、相手に恩恵を受けてもらう。
そうすると、まともな相手なら「私ばかりもらっては申し訳ない。あなたも利益をえるべきだ」と言い出します。ここから信頼関係が生まれ、長く一緒に商売をやっていけるようになる、というわけです。

で、本書に書いてあった一番重要なことは、これだな。

重要なのは全員の意見を聞くのではなく、「自分で考えろということ」と、甘い夢を掲げて仲間集めをしてはいけないということ。

 

 

稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)

稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)

 

タイトル:稼ぐまちが地方を変える
著者:木下斉
発売元:NHK出版
おすすめ度:☆☆☆☆(良い本だ)