目次
序章 新浪剛史から目が離せない
第1章 瞳輝き心も躍るイノベーション
第2章 ビッグデータの嘘と真
第3章 夢と野心のコラボレーション
第4章 苦悩と葛藤の人事ステーション
第5章 Good byeセブン‐イレブン
第6章 「まかせる」強さ
第7章 新浪剛史の“告白”
感想
コンビニの王者、セブン-イレブン本は世の中にたくさん溢れていますが、ローソンに触れた本はなかなか無いので、読んでみた。
ローソンというよりも、サントリーHDの社長に変わった新浪剛史さんの実像に迫った本ですわな。
新浪剛史氏の「任せる」という経営方針と、三菱商事に戻らない心意気でローソンを立て直したという事実に触れている以外は、「なぜ、ローソンは復活したのか?」という点に触れていないので、ちょっと肩透かし。
セブン-イレブンであれば、単品管理とか、ドミナント戦略とか、コンビニ銀行や、セブンカフェなどのリスクを取っての新規サービス開発など語られる点が多いのだけれどね。
ショップ99と100円ローソンの話とかあるけれど、それはローソン独自の話で、あまり横展開できないかと。
しかし、この本が使えなかったかというと、ソウではない。
20ページにあるローソンの常務執行役員・加茂雅治氏のこの言葉は刺さった。
もう数年もすれば誰もがスマホを使いこなす時代がやってくる。明日届けばいいものならスマホでネットショッピングが簡単で便利。そしていますぐ手に入れたいものなら、近くのコンビニに行けばいい。
これは、今の日本人の生活スタイルを的確に言い表している気がしますな。
28ページにある三越伊勢丹ホールディングスの大西社長のことばも心に刺さった。
お客様に対して新しい価値を提供しようと思うのなら、自ら相当のリスクと覚悟を持って事に当たらなければなりません。いちばん厳しいときにこそ、自分たちでリスクを背負って新しいことにチャレンジし、他社との同質化を避けなければいけなかったのに、百貨店は逆に動いてしまった。
若手の登用もありえましたが、彼らは誤ったモデルを学んでいるから限界がある。足りないところは外からプロフェッショナルを連れてきたんです。
あぁ、本当に教育って重要よねと思うわけですよ。
組織を生まれ変わらせるには、何よりも人が重要だということが分かる本ですわ。