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営業プロセス“見える化”マネジメント―1枚のシートで業績アップ!

著者:山田和裕
発売元:同文館出版

 

目次

1章 営業はプロセスがすべて―結果はプロセスの延長線上にしかない
2章 営業プロセスを見える化する―「3次元プロセス分析法」の考え方
3章 プロセス整理の事前準備―「できる営業」を選ぶ
4章 プロセスをまとめる4つのステップ―「標準プロセス」をつくる
5章 プロセスによる「見える化マネジメント」―業績アップの特効薬
6章 プロセスで行なう「人財育成」―勝ちパターンを共有し、営業力を強化する
7章 進化し続けるためのプロセスの「カイゼン」―プロセスはつくって終わりではない
8章 プロセスの徹底を支える「人事評価」―業績改善のための「進化したプロセス評価」
9章 営業プロセス“見える化”マネジメントの成功事例

感想

ちゃんとした営業職で採用されたこともなければ、営業の訓練も受けたことのない人間にとって、目からウロコの本でした。

 

営業って、こうやって考えるのね、と。ただ単に数字だけを追いかけていてはだめなのね、と。

 

そもそも、営業というのは3つの軸で考えるべきなのだとな、捉えるべきなのだとな。これを3次元プロセス分析法というのだとな(32ページ)。
で、その3本の軸とは、何かというと…

 ●活動
 ●進捗
 ●やるべきこと

と、なるのだと。これらの軸にそって、立体的に営業を確認していくことが重要になるのですとな。

 

で、それぞれを下記のようにブレイクダウン、しているのですよ。

 

【進捗】
自社のゴールを達成するための進捗
 あるいは
お客さまの購買プロセス
 [潜在]→[ニーズ顕在化]→[検討中]→[コンペ中]→[最終段階]→[発注]→[導入]→[保守サポート]

 

【活動】
進捗を進めるための自社の社外/社内プロセス
[アプローチ]→[アポ取り]→[総合説明]→[ヒアリング]→[提案]→[概算見積]→[プレゼン]→[詳細見積り]→[詳細の詰め]→[クロージング]→[受注]→[契約]→[納品]→[アフターサービス]

 

【やるべきこと】
進捗や活動に応じて、徹底・強調したいチェック事項・ポイント・ノウハウ
・業務内容把握
・ニーズの確認
・課題把握
・予算の確認
・決済者の確認
・スケジュール
・競合情報
・キーマン情報
・導入目的の明確化
・阻害要因
・引き合いルート
・価格/納期の詰め

 

これらのポイントを1枚のシートにまとめ、プロセス全体を俯瞰して管理していくようにすることが、本書の言いたいことだたりするわけです。

ちなみに、本書では「できる営業」を定義しているのも、面白い。
どんな営業を「できる営業」と言っているのかというと???

 

●実績を継続的に残し続けている
●科学的な営業マネジメントを実践している
●自分でプロセスが描ける
●組織を動かせる

 

コレだとあまりに当たり前すぎるので、「逆説的なできる営業の特徴」(59ページ)というのも定義している。
それは。。。

 

●断定的な言い方が多い
●自慢話が多い
●話が面白い
●組織の言いなりではない
●部下に振るのがうまい

 

で、最後に。マネジメントだ、管理だというと、どうしても「監視」という方向に流れがちだけれど、そうではないと筆者は言っている。

 

マネジメントを、「結果の数字や人の行動を管理すること」のように履き違えているケースがよく見られます。しかし、プロセスマネジメントでは、結果や人を管理するのではなく、問題となっているプロセスを見える化して成果を出しやすい方向に導きます

 

と、110ページで述べています。

そんなの「言うは易く行うは難しじゃないの?」と思ってしまうのですが、日本の製造業ではプロセス管理をしっかり行い、世界に誇れる結果を作り出しているのです、と。

 

製造の現場でできているものが、営業の現場でできないわけがない、と。プロセス管理の本家本元、トヨタ自動車だって、大野耐一トヨタ生産方式を生み出すまでは、属人的な生産ラインだったわけです。

 

それを変えたから、今のトヨタ自動車がある。

個人的には、この考え方に激しく賛成します。

 

1枚のシートで業績アップ!  営業プロセス“見える化

1枚のシートで業績アップ! 営業プロセス“見える化"マネジメント (DOBOOKS)

 

タイトル:営業プロセス”見える化”マネジメント
著者:山田和裕
発売元:同文館出版
おすすめ度:☆☆☆☆☆(良い本ですね)