著者:辻野晃一郎
発売元:新潮社
目次
第1章 さらばソニー
第2章 グーグルに出会う
第3章 ソニーからキャリアを始めた理由
第4章 アメリカ留学
第5章 VAIO創業
第7章 ウォークマンがiPodに負けた日
第8章 グーグルの何が凄いのか
第9章 クラウド時代のワークスタイル
第10章 グーグルでの日々
第11章 グローバル時代のビジネスマインドと日本の役割
感想
元Google日本法人の社長で、ソニー時代はVAIOや、テレビ部門を率いていた辻野さんの私の履歴書と言った感じですな。
辻野さんがソニーに入社したのが1984年で、いまのソニーとは比較にならないくらい小さや会社で、井深さんと盛田さんのイズムがまだ、文字通り生きていた、ソニーがベンチャー企業だったわけでね。
日本企業だけれど、従来の日本企業ではない。フラットで自由なソニーが、官僚的でよくある日本の大企業になっていく。その様子が事細かに書かれているのが良いですな。
でも、本書で一番良かったのはソニーではなく、グーグルが見つけた10の真実ですな。
それは、これ。
①ユーザに焦点を絞れば、他のものはみなアトカラついてくる
Focus on the user and all else will follow.
②ひとつのことをとことん極めてうまくやるのが一番
It's best to do one things really, really well.
③遅いより速い方がいい
Fast is better than slow.
④ウェブでも民主主義は機能する
Democracy on the web works.
⑤情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない
You don't need to be at your desk to need an answer.
⑥悪事を働かなくてもお金は稼げる
You can make money without doing evil.
⑦外にはいつも情報がもっとある
There's always more information out there.
⑧情報のニーズはすべての国境を越える
The need for infromation crosses all borders.
⑨スーツがなくても真剣に仕事はできる
You can be serious without a suit.
⑩すばらしい、では足りない
Great just isn't good enough.
あと日本人の完璧主義が足を引っ張るも、まさに、そのとおりだと思いますわ。
いや、ある程度のクオリティは必要ですが、過剰なクオリティはいらないんだよな。
そこそこのクオリティで安かったから、日本製品は世界を席巻したわけですが、それが中国にとって変わられたのよね。
でも、クオリティをあげるしか、やり方知らないから、だめなんだよな。iPhoneだって、MacBookだって、最初はそんなに高性能高機能でもなかったのよな。ただ、新たなライフスタイルの提案ができたんだよな。
初代ウォークマンなんて、まさにそうだったのにな。
タイトル:グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた
著者:辻野晃一郎
発売元:新潮社
おすすめ度:☆☆☆☆(日本の家電メーカーが成功して、失敗したのがよくわかりますな)