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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

セブン&アイ HLDGS. 9兆円企業の秘密

著者:朝永久見雄
発売元:日本経済新聞出版社

目次

第1章 オムニチャネル挑戦への序章

第2章 セブン&アイ・ホールディングスの目指すもの

第3章 セブン銀行

第4章 ロフト

第5章 赤ちゃん本舗
第6章 セブンネットショッピング

第7章 ヨークベニマル

第8章 セブン-イレブン・ジャパン

第9章 7-Eleven,Inc.

第10章 イトーヨーカ堂

第11章 セブン&アイ・フードシステムズ

第12章 そごう・西武

最終章

 

感想

思いっきり7&Iのヨイショ本です。
そこを差っ引いて読まないと、大やけどしてしまいます。

 

サブタイトルに「世界最強オムニチャネルへの挑戦」なんてあるので、オムニチャネルのネタ本として読むと、大失敗します。
アメリカでは成功しているオムニチャネルですが、日本とアメリカでは前提条件が違いすぎます。

あるところでは集中していて、あるところでは分散している購買のトランザクションデータや、行動データを瞬時に集めて、分析解析して、その結果を返す仕組みって、あーた、グーグルの検索エンジン以上の処理速度が必要だということを、認識しているのでしょうか?

 

という話はおいておいくと、この本は素敵な本です。

 

流通小売というビジネスを成功させるには、どうすればよいのか?というお話がぎっしり詰まっています。

 

それも、現場の泥臭いお話から、大上段に構える論理的なお話まで。

で、現場の泥臭いお話は、現場を経験したことがあるので知っているので、大上段に構える論理的な話が、心に染み渡った。

 

メトカルフェの法則ライリーの法則っていうのが、心に刺さったわ。

 

メトカーフの法則(メトカーフのほうそく、英: Metcalfe's law)は、通信ネットワークに関する法則で「ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の二乗(n2)に比例する」という。 メトカルフェの法則とも呼ばれている。

 

商業立地ならびに、商圏の分岐点を計算するための代表的な法則である。米国の経済学者ライリーが1029年実証的に発見したもので、「ある地域から2つの都市A、Bへ流れる購買力の比は、AとBの人口に比例し、その地域からAとBへの距離の2乗に反比例する」ことをいう。この法則は現実に適用するには、あまりにも単純化し過ぎているとの批判も多く出されている。その後の研究によって、距離の代わりに鉄道運賃や列車頻度、あるいは時間・距離という所要時間を用いたほうが適合度が高いこと、商品によって距離パラメーターが異なること、などの実証結果も報告されている。

 

で、そんな本書の中で一番「へ~」と思ったのが、セブン銀行ATMのお話。

 

コンビニの中にあるATMね。

 

他のATMですと現金輸送車とガードマンをよく見かけるけれど、セブンイレブンの中にあるセブン銀行ATMでは、なかなか見かけない。
なぜか?

 

それは、セブンイレブンの売上金の入金をセブン銀行ATMで行うから!
最低日商が60万を超え、大手コンビニでぶっちぎっているセブンイレブン。その売上金額をATMから入金していれば、そりゃ、ATMの中から現金がなくなるなんてことは、なかなか起きないよなぁ。。。と。

 

すげー発想。

そういうの大好き。

もっと若かったら、この会社で働きたかったわ。

 

 

セブン&アイHLDGS.9兆円企業の秘密―世界最強オムニチャネルへの挑戦

セブン&アイHLDGS.9兆円企業の秘密―世界最強オムニチャネルへの挑戦

 

タイトル:セブン&アイ HLDGS. 9兆円企業の秘密
著者:朝永久見雄
発売元:日本経済新聞出版社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(良い本だ!)