著者:斎藤充功
発行元:学研プラス
目次
第1章 スパイ・マスターの足跡
第2章 スパイ・アカデミー「陸軍中野学校」略史
第3章 近代日本のインテリジェンスのルーツ
第4章 激動のヨーロッパにおける諜報活動
第5章 東満の国境守備隊長時代
第6章 終戦―ハルビン
第7章 「情報の世界」で散ったスパイ・マスター
感想
サブタイトルは「陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実」ですね。
日本軍のスパイ養成学校であった、陸軍中野の学校の創設者。
それだけでドキドキの内容ですね。
ちなみに、当時はスパイとは言わずに、特務機関と呼んでいました。
で、中野学校を立ち上げたということだけでもびっくりなのに、ヨーロッパで諜報活動をおこなったりしているし、ハルビンでも特務機関を率いていた。
名前は知られていても、実際に何をしていたのか?の記録などは残っているはずもない(スパイだからね)人物の実像を様々な方向から明らかにしていく。
個人的にはお人好しとしか思えないのですが、ソ連が攻め込んでくるはずはないと思っていた日本には、ウヨウヨとソ連のスパイがいた、と。そんなスパイはハルビンにも送り込まれ、秋草が囲っていたソ連へのスパイが、実はソ連からの二重スパイだったりしたりという、すげー話まで書かれている。
ソビエト軍の満州進行に伴い、軍事捕虜となった秋草。
シベリア各地の収容所をたらい回され、命を落としてしまった。
完全に歴史の闇に葬り去られてしまったはずの人間、まさに日本のスパイ王の実像を描いている本書はすごい。
タイトル:日本のスパイ王: 陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実
著者:斎藤充功
発行元:学研プラス
おすすめ度:☆☆☆☆(事実は小説より奇なりですな)