発行元:雷鳥社
個人的な感想
この本はすごく使えるな。
コンテンツマーケティングとか、Webライティングとか、Web系における此方系の本はテクニック論に終止しているのだけれど、この本は違うね。
本質に迫っている。
なぜ、そんなことが言えるのかといえば、私がもと紙の編集者だから。
それも、ギリギリ20世紀の編集を知っているw
で、本書のキモは「はじめに」にある。
「編集」は漢字で書くと「集めて編む」。なんだか、いろんなことがこんがらがってしまいそうなイメージですが、本来は「集めて選んで切り捨て並べる」」作業だと考えたほうがいいでしょう。こんがらがってはいけません。基本的には切り捨て、すっきりと、わかりやすくしていくことが、編集の仕事なのです。
まさにそのとおりだわ。
SEO対策ばかり考えて、ごちゃごちゃわけのわからないコンテンツが盛りだくさんになっていますが、本来は、そうじゃない。
あと、おなじく「はじめに」にあった
編集とは、ある目的を達成するために、「一見無関係に見えるものを組み合わせて大きな意味をもたせる」「つまらなそうなものを楽しそうに見せる」「わかりにくいものをわかりやすくする」「難しいものをやさしくする」「興味が持てないものに興味を持たせる」仕事です。「むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」という永六輔氏の著作がありますが、この本のタイトルは、そのまま編集の極意だと言えるのです。
これ、まさにそうだよな。
むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く
- 作者: 永六輔
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2014/01/30
- メディア: 単行本
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ちなみに、永六輔さんは放送作家であり、随筆家であり、作詞家であり、ラジオパーソナリティだ。
つまり、クリエイティブって言われる人のど真ん中に編集力というのは必要なのだ。
で、そんな編集の基礎となるのは企画力なのですけれど(と、勝手に思っている)。
その企画(力)に必要なものとして
- 企画に具体性はあるか?
- 企画に話題性はあるか?
- タイトルは企画の命
- タイミングに遅れを取らない
- ターゲットを具体的にイメージすることが成功への道
というのが挙げられている。
まさにそのとおりだと思ふ。
そして、企画脳を育てるコツとしてあらゆる物事に疑問を持ってみることと伝えているのがいいよね。
大量のインプットと気付きがあってこそ、企画が生まれるのだから。
で、本書は後半に「著作権」についての章があるのだけれど、これが良いのよ。
具体的な判例(事例)とともに、著作権の紹介がなされている。
別に弁護士になるわけではないので、こういう事件があったんだと言うことを覚えておくだけでも、素敵なことになる。
エディターズ・ハンドブック 編集者・ライターのための必修基礎知識 (Editor’s Handbook)
- 作者: 編集の学校/文章の学校
- 出版社/メーカー: 雷鳥社
- 発売日: 2015/03/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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タイトル:編集者・ライターのための 必修基礎知識
発行元:雷鳥社
おすすめ度:☆☆☆☆(名著だ!)