WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

競争と公平感 市場経済の本当のメリット

著者:大竹文雄
発売元:中央公論新社

目次

1 競争嫌いの日本人
2 公平だと感じるのはどんな時ですか?
3 働きやすさを考える

 

感想

日本が世界で一番成功した社会主義国であるということが、よくわかる本ですね。

日本人の競争嫌いの原因を島国であることに求めていない説、満載です。

びっくりします。

いや、マジで。

例えば、3ページ

 

このように計画的にみえるのに、うまくいかないのは計画の期間が間違っているからだ。人生はその日一日で終わるわけではない。ついている時もあれば、ついていない時もある。長期的にみれば、ついている時に頑張って、ついていない時には他のことをしたほうが得なのだ。計画をもっと長期の観点で立てて、日々の計画は長期の利益を最大にするように行動すればいい。でも、実際には長期の計画を立てただけでは、それをうまく実行できないことが多い。そのため、短期の計画も同時に立てて、それをチェックしていくことで、長期計画を達成しようとしてしまう人はどうしても短期計画に縛られるのだ。

 


心が痛いですねw

すぐにわかる、目先のゴールにばかり集中して、無駄を積み重ね、どこにも辿り着けないってこと・・・

たくさん経験してきました。

 

で、18ページ

 

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のギウリアーノ教授と、IMFのスピリンバーゴ氏の研究が参考になる。彼らはアメリカのデータを使って、若い頃の不況経験が価値観に影響を与えるということを実証的に明らかにしている。具体的には18歳から25歳の頃、つまり高校や大学を卒業してしばらくの間に不況を経験するかどうかが、その世代の価値観に大きな影響を与えるというのだ。この年齢層の頃に不況を経験した人は「人生の成功は努力よりも運による」と思い、「政府による再分配を指示する」が「公的な機関に対する信頼は持たない」という傾向があるそうだ。この価値観は、その後、年をとってもあまり変わらないということも記されてる。


へぇぇぇぇえぇぇ!

でも、そんな気がするわ。

草食系男子って言われる人は、ズバリこの世代にハマるしね。

そうじゃない人も確かにいますが、そうじゃない人が目立つのは、草食系男子がメインストリームだからでさ

逆がメインストリームだったら目立たんでしょ。

 

で、21ページ

 

規制を強化すると規制で守られた人のなかでの格差が小さくなり、そのなかでの運不運の要素は小さくなるが、規制の枠に入れなかった人たちとの格差は拡大する。規制の枠に入れるかどうか、という運不運の要素が大きくなっているのである。

 


おおおお!

まさにそのとおり。

いまだと、新卒で就職できたか否か、か?

まぁ、このゲームのルールも変わりつつあるけれどね。

 

あと、57ページ

 

ウィキノミクス」という手がある。「ウィキノミクス」とはデータを公開することで、研究開発費を削減することができるという考え方だ。

 


あと、72ページ

 

しかし、教科書を読んだ生徒たちは、市場は失敗するし、独占はとにかく悪いということだけを理解するはずだ。多くの問題はあっても、競争によって得るメリットはい大きいという共通の認識を私たちがもつような教え方をするべきではないだろうか。これは特定の教科書の書き方がそうなっているのではなく、すべての教科書に共通の問題である。なぜ、そうなのかというと、学習指導要領では市場競争のメリットを教えるように書かれていないからである。

 
あれですよね。

 

そんな学習指導要綱を決める官僚や、政治家たちの多くは、東大の出身者が多いわけで

 

で、東大の経済学って日本風のマルクス経済学だったりするわけですから、ベースが

そりゃ、そうなりますよね。

 

これがケインズではなく、ハイエクだったら、多分真逆だ。

 

それくらい教育は重要。

 

だから、ある程度大きくなったら、教えてもらいつつ、教えてもらっていることに反論しなから理解しないとダメってことですね。

 

で、74ページ

 

また、市場経済が成り立つためには価格、数量、取引日などについて契約したことを私たちがきちんと守ることが不可欠であることを教える必要があるはずだ。約束の時間を守ること、借りたものは返さなければならないこと、といった私たち現在の日本人にとって当たり前のルールは、市場経済が機能するために必要なものである。そうした社会規範の成立は市場経済の発展と密接に関係しているのである。

 


ですよねぇ。

 

でも、最近の日本人は約束を守らないような気が・・・

 

特に政治家が・・・

 

だから、市場経済がうまく機能しなくなってしまっているのですね。

 

で、110ページ

 

遠い将来の時間あたりの割引率が、近い将来の時間あたりの割引率より低下するような特性を持つ時間割引率は「双曲割引」と呼ばれている。このような双曲割引型の時間割引選好を前提にすると、宿題を先延ばしにして後悔することや、カード破産してしまうという事実を説明することができるのである。

 
とか

187ページにある

 

創意工夫が重要な仕事になればなるほど、労働時間による管理は向かなくなる。技術革新のために、仕事の多くがそい工夫やアイディアに依存するようになり、生産性の個人差、個人の中での時間変動が大きくなってきた。

 


とか

226ページにある

 

人間はきちんと学習しないと、合理的な経済的意思決定ができない可能性が高い。

 


とかね。

ほんと、勉強せなアカンですよ。

で、自分の頭で考えるようにしないと。

そして、考えたことをプレゼンできる、アウトプットできる訓練をしないとね。

 

 

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

 

 

鄧小平秘録

著者:伊藤正
発売元:扶桑社

 

目次

第1部 天安門事件一党独裁を死守
第2部 南巡講話―保守派支配のなかで
第3部 文化大革命―中央復帰への執念

第4部 毛沢東死す―宮廷クーデターの三〇日間
第5部 長老たちの暗闘―改革・開放へと踏み出す
第6部 「先富論」の遺産―トウ小平後の中国

 

感想

その昔、産経新聞に連載されていたという記事をまとめた1冊。

なんと重厚長大なお話が連載されていたのだ!

と、びっくり。

そのタイトル通り、中華人民共和国、中興の祖、鄧小平の半生について語った本ですわ。

生まれ育ったところから話が始まるのではなく、天安門事件から話が始まるので一気に吸い込まれてしまいますわ。

天安門事件こと、六四事件の裏話がここまでしっかり書かれているとは。

っても、公開情報を組み合わしただけなんだけれどさ。

時代的には共産圏の崩壊がはじまっている時期に起きたことで

人民を守るための人民解放軍が人民を轢き殺すのはいかがなものかという話だけれど

あそこで中国版のペレストロイカが起きていたら、中国は崩壊していたんだろうな、と思ふ。

で、そんな天安門事件のあとに続くのは、南巡講話。

そして、文化大革命

こうやって話を読み進めると、好好爺として語られる面の多い鄧小平のしんの強さができるまでって言うことがわかりますわ。

何しろ、文化大革命時、すでに六十代後半だったわけよ。

なのに、毛沢東の逆鱗に触れて中央から飛ばされるのよ。

中央でも、地方でも、経済的に疲弊している中華の民の苛酷さを知ってしまうわけですよ。

そうなると、人権だなんだかんだというよりも、まず、腹をいっぱいに擦るってことが重要だろうってなるわね。

うん。

この本、中国だと発売禁止なのな。

で、下巻では毛沢東の死から鄧小平がどうやって中国の最高権力者に上り詰めたのか、がよくわかる記述となってますわ。

四人組を追いやり、華国峰をおいぬき、どうやって十三億の民の頂点になったのか?

そして、中国をどのようのに経済大国に導いたのか?

改革開放で海外資本を導入したってことは有名ですが、毛沢東というか文化大革命により廃止されていた大学入試を復活させたのも鄧小平なのよね。

経済と教育の両方が大事だと鄧小平は知ってたんだよな。あと、ブリッジとサッカーな。


そして何より、ベトナムに攻め込むことに関してアメリカの事前承認をとってたなんてびっくりだわ。

 

トウ小平秘録 [下]

トウ小平秘録 [下]

 
トウ小平秘録 上

トウ小平秘録 上

 

 

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇

著者:堀栄三
発売元:文藝春秋

目次

陸大の情報教育
大本営情報部時代
山下方面軍の情報参謀に
再び大本営情報部へ
戦後の自衛隊と情報
情報こそ最高の“戦力”

 

感想

 

あれだ。

 

情報を大事にしないで、情報を取り扱っても、その目的を見失ってしまって、正しく活用できないのは日本軍だけでなく、日本全体におけることなんだということがわかる。

 

戦争とは鉄量の勝負である

 

ということは日本陸軍だってわかっていた。

 

鉄量とは弾薬の数だったり、戦車の数だったり、あれやこれやですわ。

 

百発百中の砲弾1門と百発一中の砲弾100門

初戦は百発百中の砲弾が百発一中の砲弾を破壊するけれど、百発百中の砲弾も破壊されてしまうので、ゲーム終了。

 

いや、そんなことはない。

大和魂が、そうさせない。

 

なんてやってるからだめなんだ。

 

別に日本軍だけの話じゃない。

 

効率性を追い求めず、滅私奉公をひたすら強いる日本社会も同じでしょって。

 

ちなみに、戦争中、日系人アメリカで隔離されたわけですが

これは「日系人が憎いから」アメリカがやったことでなく

一般人だろうと、スパイだろうと、とりあえず日系人、全部集めて監視しとけ

ってことだたのだと。

 

人権もへったくれもない。

日系人スパイがアメリカ軍の情報を取り扱えないようにしただけなのだな。

 

そんな話が描いてあり、感動しましたわ。

 

ちなみに孫氏の言葉の中に

 

爵祿百金を惜しんで、敵の情を知らざるは不仁の至なり、人の将にあらざるなり、主の佐にあらざるなり、勝の主にあらざるなり

 

ということばがあるのだと。

 

情報に金を惜しんじゃダダってことね。

 

正しくは、情報に金や、人を惜しむなね。

 

本書の多くは『失敗の本質』と類似している(そりゃそうだわな)のですが、

本書は情報の重要さに重きをおいているので良いです。

 

日本軍~敗戦~非具備~警察予備隊自衛隊

って時系列で日本がどのように情報を扱ってきたのかというのもわかる。

 

まぁ、シリアも、イスラム国もヤバイけれど

スエズ動乱の時のほうがヤバさ百倍だったのね。

 

きっと、今も世界中で諜報合戦なんでしょうな。

そして、情報が重要だわ、やっぱ。

 

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

 

 

大人の喘息になってしまった。。。

大人の喘息。

こう書くと、まるで大人の休日倶楽部の仲間のように思えてしまいますが、こうやってオヤジギャグを言えるのも、まともに呼吸ができるようになったからでして、今朝は真面目に死ぬかと思いました。

 

昨年末くらいから「風邪引いたなぁ・・・」と思いながらも、咳が出続けていたのです。が、暖かくしたり、お酒飲んだり、のんびりしたり、お酒飲んだりしていると、咳が収まりまして「あぁ。やっぱ風邪なんだな」なんて思っていたのですよね。

 

でもですね、この暖かくしたり、お酒飲んだり、のんびりしたり、お酒飲んだりしているを繰り返していると、咳は収まるのですが、出てくる咳がどんどんどんどんひどくなっていたりするわけで、それに気がついたのが連休前だったりしたのですよね。

 

「せっかくの三連休に、もしものことがあっては、洒落にならない」ということで、ゴホゴホゴホ咳が出ていることもあって、定時に退社。お風呂で温まって、速攻眠りについたわけですよ。

 

でも、翌日ひどい咳が出た。でも、昨日は良く寝たし、子供もお休みだし。

ってことで、ゴホゴホしながら、子供と遊んでいたら、なんかおかしかった。

「息が苦しい。。。」

 

口で思いっきり呼吸をしても、酸素が身体に十分取り込まれないというのでしょうか、なんだか初めての経験。深呼吸もできないし、つらい。短い呼吸を繰り返して、なんとか心と体を落ち着かせる。

 

という作業を3日繰り返して、本日の朝。

 

朝起きたら、やばいの。一階のリビングに歩いていくだけで、息が切れるのってか辛いの。

 

ということで、かかりつけの病院に行き、朝から検査。結果は喘息。ネブライザーを吸引して、気管支を広げる点滴を打って、そのまま帰宅。お土産は山のような飲み薬。

 

いや。。。

 

大人でも喘息にかかるのね。わたし、アレルギーなんにもないのに。。。

 

 

まず、春先に花粉症を起こすのであれば、その治療も怠らないこと。 また気温の変化が激しいので、風邪を引かないように急な冷え込みに対応できる服装を心がけましょう。マスクやうがい、手洗いも大切です。 さらに新年度から大きく環境が変わる方は、ストレスや疲労からぜんそく発作を起こしやすいので、意識して休息をとると良いでしょう。

実は重いぜんそく発作の3大原因は「風邪、過労、ストレス」。何かとせわしない春先ですが、十分に睡眠をとり規則正しい食生活を心がけましょう。

 

 

って、ワタシの生活、過労とストレスから抜け出せないよw

 

 

www.sawai.co.jp

www.sawai.co.jp

 

花粉やハウスダストなどのアレルゲン以外でも、喘息の発症のきっかけになるものはたくさんあります。もっとも注意したいのは気道の炎症を引き起こす風邪やインフルエンザなどの感染症です。気道の粘膜を刺激する喫煙や大気汚染、冷たい空気に急激に触れるなどの気温の変化、ストレス、香水や化粧品の成分なども大敵となります。また、肥満は気道を圧迫し、脂肪細胞が炎症物質を産生するので、太り過ぎは改善すべきです。

 

太り過ぎもダメなんだ。。。

ちなみに、処方された薬は

サルタノールインヘラー100μg 0.16% 13.5ml

レルベア200エリプタ30吸入用

ツロブテロールテープ2mg「日医工

レパミド錠100mg「オーツカ」

トラネキサム酸錠250mg「YD」

アンブロキソール塩酸錠15mg「トーワ」

プランルカストカプセル112.5mg「サワイ」

アジスロマイシン錠250mg「KN」

混合薬(コデインリン塩酸散1%「タケダ」/メチエフ散10%/炭酸水素ナトリウム「ヨシダ」/ジアスターゼ「ヨシダ」)

 

喘息のお薬と、喘息の原因というか、喘息を悪化させる要因となる風邪薬と、薬をたくさん飲んで胃が荒れないようにという意味での胃薬を処方されましたな。

 

40を過ぎると、何より健康が大切ですな。

 

喘息予防・管理ガイドライン 2018

喘息予防・管理ガイドライン 2018

 

 

戦争論

著者:クラウゼヴィッツ
発売元:岩波書店

 

目次

第1部 戦争の性質について
第2部 戦争の理論について
第3部 戦略一般について
第4部 戦闘
第5部 戦闘力

第6部 防禦
第7部 攻撃(草案)
第8部 作戦計画(草案)

 

感想

いや~読んでよかったわ。

 

世界屈指の戦略書。

 

すべてのビジネス書の基本ですわ。

 

特に上巻は概念的といいますか、抽象的といいますか、しっかり伝えるべきことのみにそぎ落として伝えているので、それはそれは素晴らしいわけですわ。

 

戦術と戦略についてわかりやすく説明しているわけですよ、当然ですが。

 

で、それは何かといいますと

 

戦術は戦闘において戦闘力を使用する仕方を指定し、また、戦略は戦争目的を達成するために戦闘を使用する仕方を指定する

 

と定義されているのですわ(143ページ)

 

ちなみに、一番の基本の「戦争って何か?」ということもきっちり定義されているわけですわ。

そのへんは第1章にしっかり書かれておるのです。

それは

・緒言
・戦争の定義
・強度の強力行使
・戦争の目的は敵の防御を完全に無力ならしめる
・彼我双方の力の極度の使用
・現実における手直し
・戦争は孤立した行動ではない
・戦争は継続のないただ一回の決戦からなるものではない
・戦争とそれから生じる結果とはいずれも絶対的なものではない
・そこで現実の戦争において確実と認められるところのものが概念における極端なもの絶対的なものに変わるのである

・・・と説明が続くのですわ。

まぁ、これは『失敗の本質』にもあるように、精神論的な一発勝負じゃねーよって話なのですわ。

このへんの重要な話をピックアップすると、本を丸ごと書き写すようになってしまうわけですよ。


これ、仕事全体に置き換えてみるといいかもね。

それで本を書くと、おっと、ビジネス書になりますね。

 

概念的な説明に終始する上巻に比べ、下巻は実務的

まさに、戦争論ですわ

って話ですな。

 

森林地防御

とか

戦場防御

とか

山岳攻撃

とか

 

まず絶対に、フツーのビジネスでは使わないっすね。

 

でも、第八章の「戦争計画」は使えますな。

 

その章の中にある

 

戦争は政治の道具である。

 

というパートは、まさに!という話ですわ。

 

 

戦争論〈上〉 (岩波文庫)

戦争論〈上〉 (岩波文庫)